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新型コロナウイルスでの不安やストレスに負けない3つの考え方⑴

新型コロナウイルスでの不安やストレスに負けない3つの考え方

 新型コロナウイルスが欧米諸国にも広まり、世界はパンデミック(感染症の世界大流行)の事態となりました。日本で終息したとしても、その影響が長期化することが予想されています。「自粛疲れ」「緊急事態宣言」という言葉も飛び交うギスギスした世相において、大きなストレスにさらされ「心の健康」を損なう人も見受けられます。

 ストレスにしっかり対処できることは免疫力を高め、コロナウイルスに負けない心身をつくります。そこで長期化するストレス強度の高い社会において、「心の健康」を守るための「3つの考え方」をご紹介いたします。

まっつん
まっつん

 本コラムの「転載・引用」に許可はいりません。このご時世です。何かお役に立ちそうであれば、自由に使ってください。

不安やストレスに負けない3つの原則

原則❶:自分にコントロールできないことは悩まない。

 「知る」ことによって不安が解消されることもありますが、反対に、不安が大きくなることもあります。

 不安が大きくなりがち人は、テレビやネットのニュースで、一度、情報を確認しても、次から次に情報を求める傾向があります。

 事態が沈静化していればいいのですが、新型コロナウイルスによる世界のパンデミック状況は、悪化している段階です。「世界で◯◯万人の人が亡くなった…」。そんな悪いニュースに何度もふれると、知らぬまに心にダメージを与えることになります。

 東日本大震災の時に、メディアが繰り返し流す津波の映像を見て、被災地以外の多くの人がメンタル不調に陥りました。メディアの情報には、「心の健康」を損なう力があるのです。これは「3.11」の時に私たちが学んだ教訓です。

新型コロナウイルス情報にふれる機会を減らす

 ですので、新型コロナウイルスのことで「不安が強くなっている」また、「ストレスを明らかに感じている」と自覚症状があれば、新型コロナウイルス関連のニュースにふれる機会を減らしていってください。

 「見るな」といっているのではありません。ニュースで現状を知ることはとても大切ですので、「減らす」ことを考えてください。

まっつん
まっつん

 テレビをつけっぱなしにするのをやめます。ツイッターなどSNSをよく見るのであれば、SNSを目的もなくボーッと眺める時間を減らします。スマホでSNSのアイコンをホルダに入れて、トップ画面から外して、アクセスを難しくします。

 自分で工夫して、新型コロナウイルスの情報にコンタクトする機会を減らせば、それがストレスを減らす「ストレス・マネジメント」になります。

 そういうと、こんな声が返ってきますね。

「情報にふれていないと、逆に不安になるんですけど…」

 もし、不安になるのあれば、情報に対する考え方を変えていきます。

「その情報は役に立つのか?」と自問自答する

 私たちが情報を得るのは、得た情報が何かの役に立つからです。

 例えば、料理番組を見て料理の作り方を知れば、料理を実際に作れるようになります。「旅」の情報番組を見て観光地の情報を知れば、友だち同士や家族で行く旅行先になりうるでしょう。実際に旅行に行くこともあります。

まっつん
まっつん

 そこでよく考えてみます。「世界で◯◯万人の人が亡くなった…」。この情報は、あなたの生活に、何か役に立つ情報でしょうか。一般的な常識としておさえていく必要はあるかもしれませんが、何度も何度も確認する必要のない情報のはずです。

 もちろん、危機感の薄い人たちが、街中でウイルスを拡散している可能性が高いため、そうした人たちに危機感をもってもらうために「世界の死者数」は、必要な情報かもしれません。

 でも、ネガティブな情報を知るあまり、危機感が高まり過ぎてストレスが強くなっているのですから、不要不急の情報はシャットアウトしていいのです。「3.11」の時、津波の映像を何度も見なくてよかったように…。

 そこで、新型コロナウイルスの情報を知ろうとする時、また、知った後でもいいので、こう自問自答してみてください。

「この情報は果たして何の役立つのだろう?

 自問自答することで、人は冷静になれます。世界の死者数を知って、「なんてひどい、もう世界はダメなんじゃないか」などと、感情が暴走し歪んだ結論に至るのを食い止めてくれます。歴史的に見れば、どんなパンデミックも必ず終息しているのです。

 冷めた自問自答をはさむことで、不安感を抑えることができます。


 そういうと、次に、こんな反論が想定されます。

 「世界の状況に目をつぶれというのですか!なんて冷たい人だ!いくらなんでも、それは薄情じゃないですか!」

 この反論に「そうだ、そうだ」と同意できるかなと思った人は、とても「共感力」の高い人です。それは、あなたの「強み」です。きっと、いつも人を思いやれる優しい人のはずです。

 ただ「共感力」の高さは、非常時において、特に、それが長期化する状況下では、「弱み」に転じることがあります。

 なぜなら、「3.11」や世界規模のパンデミックは、個人でできる共感能力をはるかに超える事態だからです。

ストレスをおさえるために「共感力」をおさえる。

 つまり、共感し過ぎるあまり、心がオーバーヒートして、疲れ果ててしまうのです。平常時の社会であれば、「強み」のはずの「高い共感力」が「弱み」となって、逆に、ストレスに耐える力を弱めてしまいます。

 ここで、出発点に戻りましょう。

 大切なことは、今、あなたが心も体も健康でいることです。

 世界の出来事を心配するのはもちろん大切です。ただ、一般的な生活者であれば、パンデミック状況下で優先順位を高くするのは「自分の健康」または、会社の仲間や家族など「身の回りの人の健康」でいいのです。

 なぜかといいますと、感染拡大が続く非常時で「健康であるひとり人」は、国の宝であり希望になりうるからです。世界の現状を知って感情が乱れストレスを強く感じてメンタルダウンするより、心身ともに健康でいることが、会社や家族や社会や世界のためになるからです。

 ですから、ニュースの見る機会を減らすのは、薄情ではなく自分や大切な人を守るための健全な行動です。そして、それは効果的なストレス対処法なのです。

まっつん
まっつん

 落ち着いて考えてみれば、世界の死者数を知って、「なんて、かわいそうなの、何とかしてあげないと」と、同情しても、アメリカやイギリスやイタリアの現在の危機的状況は変わらないはずです。

 欧米諸国のトップが非常事態宣言を出して、首都を閉鎖したり外出禁止にしたり、国をあげて取り組んでいるのに、感染拡大はとまらないのです。苦しんでいる人たちは、感染拡大を一日でも早く止めてほしいのです。求めているのは、その具体策・解決策です。

 共感することは大事ですが、「共感」では、世界規模のパンデミックをコントロールできません。

 自分にコントロールできないことを心配し続けると、メンタルに悪影響を及ぼします。ストレスをさらに強く感じるようになります。

 反対に、コントロールできることに意識を集中して取り組んでいけば、人はストレスを減らすことができます。

 感染拡大が続くなか、ニュースでショッキングな事実を知っても、「それを自分にはコントロールすることはできない」と、落ち着いて心のなかで処理していきます。悩まないでいいことは、悩まなくていいのです。 

 そこで、ストレス対処の「原則1」を胸にととどめてください。

原則1

自分にコントロールできないことは悩まない。

 情報にふれる機会を増やしたり減らしたりすることは、自分でコントロールできることですね。

 情報へのコンタクトを上手にコントロールして、思い悩まなくていいことは悩まず、自分のストレスも上手にコントロールしていきましょう。

(文:松山淳)

つづき→原則2:不安は不安のまま、やるべきことに集中する!


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