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アイドルグループ「AKB48」に「高橋みなみ」という優れたリーダーがいました。「総監督」というポジションで300名を超すグループを引っ張り、AKB48の活躍を支えました。
彼女は「天性のリーダータイプ」ではなく「リーダーである自分を、自分で創りあげていったタイプ」です。AKB48のドキュメンタリー映画を観ると、彼女自身が「自分はリーダータイプではなかった」という内容を口にしています。
AKB48以前は、人についていくタイプで、自己主張することは少なく、リーダー的な存在になったこともなかったそうです。
天性のリーダーはいるかもしれませんが、全ての人がそうではありません。「高橋みなみ」さんがそうであったように、「自分はリーダータイプではない」と尻込みしていた人が、優れたリーダーになるのは決して珍しいことではありません。そう考えると、リーダーの力が高まるのには「2つの視点」があります。
ひとつ目は、「本人」の問題です。自分がリーダーであると「自覚」し、それに求められるスキルを身につけ、自分を高めようと努力することです。コミュニケーション力やプレゼン力など、リーダーに求められる実戦的スキルをどこまで向上させるかは、「本人」の意識にかかっています。本人の「覚悟」が、その人を優れたリーダーにしていきます。
ふたつ目は、「その人の置かれた状況」、つまり「環境」です。
「地位が人をつくる」
そんな言葉があります。リーダーのポジションを任されるから、リーダーの「自覚」が芽生え、リーダーになろうと努力を始めます。キャプテンになる。店長になる。課長になる。部長になる。経営者になる。そうしたポジションが、その人を「真のリーダー」に仕立て上げていくのです。
『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』 (アスコム)の中で、AKB48のプロデューサー秋元康氏は、こう言っています。
リーダーシップとは天性のものではなく、環境が作るものだと。彼女に最初からリーダーシップらしきものがあって、それをオーディションで受かった直後から発揮したり、みんなを集めて聞いた不満や不安を僕にぶつけてきたりしたわけではないんです。高橋みなみは、本当に誰かの後をついていくような子だった。ところが、お姉さんたちが卒業していなくなってしまい、もう頼る人もまとめる人も誰もないくなったとき、彼女が輝き出した。やらざるを得ない状況が、リーダを生み出した。
『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』 (秋元康 田原総一朗 アスコム)p152
これは「リーダーシップが後天的に強化できる」という証ですね。「自分はリーダータイプではない」と自己卑下しがちな人でも、リーダーらしいリーダーになれるのです。
リーダーシップ研究の中に、リーダーシップ「先天説」と「後天説」があります。リーダーになるのは「先天的」な、つまり、「生まれ持った要素」が強いのか、それとも、生まれた後の「後天的」なものに影響されるのか、という議論です。
小さい頃から何かと場をしきり友だちをしきり、みんなを率いていくような、『ドラえもん』でいう「ジャイアン」タイプの人がいます。これはその人の先天的な要素が強く影響していて、その人の「生まれ持った性格」がそうさせているのです。
私は人の生まれ持った性格を導き出す国際的性格検査MBTI®(Myers-Briigs Type Indicator)の資格を持っています。リーダー研修や個人セッションでMBTI®を活用していますので、自然と場をしきるタイプが存在することを、よく知っています。高橋みなみさんの様子をテレビや映画で観ると、確かに、それとは違うタイプです。
リーダーシップは、ひとつのスキルだと考え、本人の学習によって、あるいは「環境」によって、リーダーシップ力は高められると考えるのが「後天説」です。
「後をついていくような子だった」高橋みなみさんが、「AKB48総監督」時代、グループを率いるのみならず、政治家とも対談するような優れたリーダーになったのですから、リーダーシップ「後天説」は真理です。
ですので、「自分はリーダータイプじゃない」と悩んでいたら、高橋みなみさんの「生きた事例」を思い起こせば、励みになります。「リーダーになれる人材」は生まれ持って決定しているのではなく、誰もが「リーダーになる」ことは可能なのです。
それでは、次から高橋みなみさんの「持論」に耳を傾けていきましょう。
高橋みなみさんは、AKB在籍中からリーダーとしての考えを、様々な場面で語っていましたが、まとめて「持論」を展開するのは、『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)が初めてです。
この本では、あの300人を超えるAKB48グループをどうやって率いていたのか、その「生きたリーダーシップ」の事例を知ることができます。
高橋さんは、5つの項目をあげて「リーダーの仕事」を整理しています。
- メンバーのことを理解する:メンバーを理解し信頼関係を築く
- ほぐして、つなぐ:小さな集団をほぐして、他の集団につなげる
- 導く:スピーチのスキルを磨きメンバーを導く
- 手本を示す:きれいごとを語るなら、自分も努力し行動する
- 任せる:全体を考え後進を育成するために「任せる」
❶メンバーのことを理解する
リーダーの仕事の中でも、大部分を占めているのがチームのメンバーひとりひとりとのコミュニケーションです。
個人との信頼関係の積み重ねが、リーダーにとって大切で、いいチームを作り上げることにもつながっている。(中略)
いかに個と個として向き合っていけるかが、チーム全体のパフォーマンスを高めることにもつながっているんです。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
日々、リーダーは人と向き合います。数人のケースもあれば、数十人、数百人のケースもあります。リーダーとしてポジションがあがればあがるほど、「1対1」ではなく、「1対他数」になります。
「1対他数」が多くなると、メンバーの心が離れていきます。なぜなら、その人のことを理解できなくなり、心の深いところで、つながらなくなるからです。深いところで絆を結んでこそ「信頼関係」は生まれます。
信頼関係を高めるには、「1対1」が有効です。グーグルが「1on1ミーティング」と呼ばれる上司と部下の1対1のミーティングを行い、成果をあげました。その実績が知られ日本企業でも「1on1ミーティング」が広まっています。
「1on1ミーティング」は、週に1回、月に1回など、定期的に行なわれます。話し合われる内容は、必ずしも仕事のことに限らず、プライベートのことも含まれます。もちろん、上司が強要するのではなく、話しの流れで、私的なことが出てきたら、それに応じるということです。
『リーダー論』(講談社)を読むと、高橋みなみさんが、様々な場面を活用して「1on1ミーティング」に近いことを、意識的に行っていたことがわかります。
アイドルです。ほとんどが10代です。仕事のことだけでなくプライベートのことでも悩みがあります。そういった悩みを察知したら、高橋さんは、できるだけ声をかけて話しをするようにしていました。
また、話しかけられやすいように関西弁を使ったり、わざとヘラヘラしたり、ありがとうを口癖にしたり、アドバイスをする時には、名前を必ず呼んでから言葉を発するようにしたり…、たくさんの細かい工夫をしています。
そうした細かな工夫を積み重ねていって高橋さんはメンバーとの信頼関係をつくりあげていったのです。リーダーとして1対1の関係を大切にする根底には、次のような「リーダー哲学」があったからです。
❷ほぐして、つなぐ
リーダーがチーム作りをするうえで最初にするべきことは、小さなグループで固まってしまっているメンバーたちを、「ひとりひとり」にほぐしていくことだと思います。
私はそのことを「〝ダマ〟を取る」と表現しています。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
「ダマ」とは、小麦粉を水で溶かそうとする時にできる「かたまり」のことです。「ダマ」ができたままでは、小麦粉は溶けたことにならず、料理の質は低いものになります。
300人の超えるメンバーですので、仲のいい人同士が固まる「ダマ」がAKB48に存在していました。こうした「ダマ」が多くなると、メンバー同士のコミュニケーションが少なくなり、結果的に、チーム力が落ちていきます。
また、仲間の目を気にしてしまい、ひとりひとりが「個」として力を発揮できなくなりがちです。
そこで高橋さんは、ダマの中に割って入って話しをしたり、その会話の中に、他のメンバーを連れてきて話しをさせたり、ここでもひと工夫していました。小麦粉の「ダマ」をとるために「かきまぜる」ことをするように、人間関係を「かきまぜる」ことで、メンバーとメンバーをつなぎ、チーム力を高めていたわけです。
チーム全体をどうまとめるかと考える前に、「ひとりひとり」にほぐしておかなければ、意味がないんです。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
❸導く〜言葉の力〜
まずは道を示し、みんなの先頭に立って進んでいく。その選択が間違っていたら、みんなは「違うんじゃない?」と言ってきてくれる。そうした、「ごめん!違った」と言って、新しい方向へ舵を取り直せばいい。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
高橋さんは「リーダーの仕事」の3つ目として、「スピーチ」の重要性をあげています。レッスンやコンサートの時など、常に多くの人を前に話をしてきた高橋さんです。リーダーに成り立ての頃は苦手でしたが、場数を踏み、徹夜で原稿をつくるなど努力して、スピーチ力を磨いていったそうです。
これから書くことは、拙著『バカと笑われるリーダーが最後に勝つ トリックスター・リーダーシップ 』(松山淳 SB新書)に収録した内容です。
この本は、2013年に出版しました。「高橋みなみ」さんを取り上げています。冒頭にあげた2本のドキュメント映画を観ての論で、高橋さんのスピーチのうまさに感動して、書いたのです。時が流れ2015年、高橋さん自身の『リーダー論』が出て、スピーチを重視していたことを知り、「なるほど、やっぱり」と、深くうなづきました。
では、加筆修正して、高橋みなみさんの「スピーチ」について、述べていた箇所を、ここにも記します。
2011年3月11日、東日本大震災が起きました。その年の7月22日、西武ドームで「AKB48」初のドームコンサートが開かれました。
残念ながら内容があまりよくなかったようで、コンサート終了後、プロデューサー秋元康氏は、メガホンを片手に「僕が知る限り最悪のコンサートだったと思います」と、集まるメンバーを静かに叱責します。
秋元氏の言葉を聞き、高橋さんの頬から涙が流れます。実は、リハーサルの段階からおかしいと気づいていました。でも、「言えなかった」「言わなかった」と、映画の中でふりかえっています。
高橋さんは秋元康のもとへと歩いていき、「どうしたらいいかわからない」と泣きながら話します。最後、頭を下げます。そして集まるメンバーの元に戻り、涙声で想いをぶつけました。
「今日のような講演が続くようだったら…たぶん終わります。
【「リーダーの想い」(メンバーの思いを代弁)】
それはたぶん誰もが思って、感じていると思います…こんなんで楽しいって思われるのって、すげえ悔しくない?
…もっとできるってたぶんみんな思ってる、と思ってるわたしは、わたしは思った、もっとできるのにって、もっとできんのに、なんでこれなんだよって、正直思った、すげえ悔しかったし、終わった後、めっちゃ、泣いた…すげえ悔しかったし、こんなんだったら立ちたくないって思った。
【「未来の視点」(使命観の再確認)】
でも立たなきゃいけない。明日、明後日続きます。明日、明後日来る人がいます。もしかしたら今日来てくれた人で来てくれる人もいます。初めてAKBを見る人もいます。もしかしたら被災地から来てくださった人もいます。
こんなんじゃだめでしょ…死ぬ気でやりましょう」
『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on少女 たちは傷つきながら、夢を見る』(東宝)
そう言うと高橋さんは破顔し、メンバーたちは、間髪を入れず「はいっ!」と大きく声をあわせました。チームの心がひとつになった瞬間です。リーダーの放つ「言葉の力」が、人の心を動かし、メンバーたちをまとめあげた名シーンです。
このスピーチは、大きく3つのパートにわけられます。「現状認識」「リーダーの想い(メンバーの思いを代弁)」「未来の視点(使命観の再確認)」です。
高橋さんは、まず「たぶん終わります」と現状認識の厳しい言葉を口にします。冒頭「終わります」は、インパクトのある言葉です。それ故に、スピーチの「つかみ」になっていて、メンバーが聞き耳を立てます。
ですが、「あなたちがダメだから」とか「普段からちゃんとコミュニケーションとってないから、こうなるのよ」などと、メンバーを否定する言葉をダラダラと続けません。一言だけです。ここが大きなポイントですね。
次に「すげえ悔しくない?」「みんなも思っている」とメンバーに問いかけ想いを共有しながら、「こんなんだったら立ちたくない」と自分の思いを吐露します。これは、メンバーが思い感じていることの「代弁」になっています。
ドキュメンタリー映画では、大島優子さんや篠田麻里子さんなど、他のメンバーもこの時のことを振り返っていて、コンサートが進行している最中、「これは、まずいな」と感じていました。「言うべきことを言えなかった」。それは誰もが感じていることでした。その後悔を、メンバーに代わって高橋さんが言葉にしているのです。
自分の気持ちを言葉にしてくれていたら、「怒られている」というより「わかってくれている」という思いがわいてきますね。
そして「明日、明後日来る人がいます」と心の視点を一気に未来へとふり向けます。すると、真剣な顔をして身動きひとつしなかったメンバーたちが、首を縦にふります。主要メンバーの柏木由起さんは、小さく何度もうなずいています。
さらに、「被災地から来てくださった人もいます」と、自分たちがアイドルとしてファンの前に立つことに「どんな意味があるのか」、そこに社会的な意義をもたせ少女たちのプロ意識を高めています。
私たちは「歌って踊って人気があればいい」なんて考える単なるアイドルグループじゃないんだよ、と…。その証拠に、2011年、AKB48は、東日本大震災の被災地へ赴き、空き地で小さなコンサートを開く地道な復興支援活動を続けていたのです。
高橋さんは『リーダー論』で、こう書いています。
スピーチの冒頭は、「今」の状況を確認するのが効果的だという話をしました。スピーチの結末では、どんな言葉がふさわしいでしょうか?場合にもよりますが、私はやっぱり、明るい「未来」に向かって進んでいくような言葉だと思います。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
翌日の西武ドームのリハーサルでは、メンバーがスタッフに対して貪欲に変更を求めていく姿が映し出されます。
「言葉の力」によって、人は、チームは変われるのです。
自分たちはこの方向へ進んでいくんだと「決める」時に重要なことは、言葉です。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
❹手本を示す
リーダーの大きな仕事のひとつは、メンバーに手本を示すことです。一番やってはいけないのは、「言っていることと、やっていることとが違う」ことだと思います。「遅刻をするな」とメンバーに言いながら、リーダーが遅刻していたら最悪ですよね。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
「背中を見せる」。古臭い言葉のようですけど、今もビジネスの現場では、多くのリーダーが実践していることです。「こうしろ、あ〜しろ」と命令調でアドバイスするのではなく、まずはリーダーが手本を示して、メンバーを感化していくのです。
「手本を示す」というと、太平洋戦争の時、連合艦隊司令長官だった山本五十六の名言を思い出しますね。
ほめてやらねば、人は動かじ
『リーダー論』の中で、高橋みなみさんは、努力について書いています。他人に「努力が足りない」と言っておいて、自分が努力していなかったら説得力が無いですね。
2011年のAKB48総選挙のスピーチで「努力は必ず報われる」と高橋さんは言いました。この言葉との「言行一致」を果たすために、リーダーとして努力する姿をメンバーに見せ続けていたのです。
部下を上司をよく見ています。ささいな言動も覚えています。でも、リーダーになると、「自分が見られている」という感覚が希薄になります。
「いつも見られている」という意識が、「手本を示す力」を高めてくれます。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
❺任せる
まずはとことん、やれる仕事は、自分でやる。その日々を積み重ねていければ、「任せたよ」と伝えた時に、メンバーは「任せてもらえた。頑張ろう」という気持ちになる。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
高橋さんが「任せる」ことの意義に気づいたのは、2014年「総監督」になった時です。AKB48は、「チームA」「チームK」など、15名前後のいくつものチームに分かれています。チームごとにリーダーがいます。
「総監督」になるのは、300名を超えるメンバーの頂点に立つことで、それを全て自分で見るのは無理という気づきがありました。その時、チームリーダーと信頼関係を築いて、あとは「任せる」しかないという心境に至ったわけです。
企業組織のリーダーの中には、「任せられない症候群」の上司がいます。部下に任せず、どうしても自分で仕事をしてしまうのです。「部下が仕事をしない」「ミスが多くて任せられない」「自分でやったほうが速い」などなど、理由は様々です。
でも、任せないと部下の力が伸びません。部下が組織に必要な人材として成長していくためには、「任せて待つ」ことがどうしても必要になります。
ある意味、「高橋みなみ」という存在は、AKB48のなかでカリスマ的な存在になっていたのでしょう。「一期生」として「神セブン」として、黄金期をつくりあげていた存在です。
カリスマ・リーダーがいる時、グループの結束力は高まります。ですが、デメリットもあります。カリスマの顔色を伺い、意思決定をリーダーに頼ってしまうのです。つまり、次世代リーダーが育たないのです。
高橋さんがAKB48からの卒業を決意したのも、次の世代に託す必要性を感じたからだそうです。『リーダー論』(講談社)で、こう書いています。
このグループの未来を、みんなに任せて託すこと。
それが、総監督としての私の最後の仕事だったんです。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
世間には、ポジションや権力に固執し「晩節を汚す」リーダーたちがいます。「引き際」をきれにするのは、それだけ難しいのです。
高橋さんは、在籍10年を節目に、2016年4月8日、AKB48劇場での『高橋みなみ卒業特別記念公演〜10年の軌跡〜』のコンサートを最後に卒業しました。
きれいな引き際であり、最後の「任せる」を完遂できたリーダーでした。
さて、長々と書いてきましたので、最後は簡単に。この記事で一番、言いたかったことは、高橋さんも言っているように「誰もがリーダーになれる」です。
世の「リーダー論」は、歴史の偉人やカリスマ・リーダーから導き出された条件が多く、時に、それらを知っても「それは、すごい人だからできることでしょ」と、不毛感ががあります。
もちろん、高橋みなみさんも、国民的なアイドルとして活躍し、多くの人から優れたリーダーだと賞賛された存在ですから、「それは高橋みなみだからできたことでしょ」と、言いたくなるのはわかります。
ただ、秋元さんが「本当に誰かの後をついていくような子だった」と言っているように、彼女は、むしろリーダーに向いていないタイプだったのも事実です。その子が「優れたリーダーになっていった」のです。
ですから、「誰もがリーダーになれる」という言葉は、決して大げさなものではありません。
リーダーシップで悩む人は多くいます。「チームをまとめられない」と嘆くリーダーは、少なくありません。
リーダーとして自信を失いかけたら、「後ろをついていくような子」が、覚悟を定め、努力に努力を重ねて「変わっていった」、つまり「自分で自分のことをリーダーとして創り上げていった」という事実を思い出してください。
リーダーとは、自分で創りあげていくものです。
それでは最後、高橋みなみさんの言葉を記して、本稿を終えます。
リーダーになる人に、「生まれながらのカリスマ性」は必要ないということです。チームのことが好きで、みんなを引っ張りたい、という強い気持ちがあればいい。その気持ちを、ちゃんと行動に移せばいい。だから──。誰でもリーダーになれる。
『リーダー論』(高橋みなみ 講談社)
漫画『最遊記』より
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