誰もが辛い気持ちを抱くことがあります。辛い気持ちになっている時、ついつい「自分だけなんで」「どうして私だけがこんなことに」と、私(自分)を中心に考えてしまいます。それは「心の視野」が狭くなっているためです。
心の視野が狭くなると、考え方のレパトリーがいつもより少なくなるので、どうしても自分を中心とした思考になってしまうのです。すると、元気な時の自分であれば簡単に気づけることに、気づけなくなってしまいます。
ですから、辛い気持ちを楽にするのに大切なたったひとつのこととは、「心の視野を広げること」です。
このコラムでは、「今、ちょっと辛いなと感じている人」が心の視野を広げて、気持ちを楽にするための効果的な5つの考え方をお伝えしていきます。
目次
1.「なぜ、ダメなのか」ではなく、「どうするのがよいことなのか」を考える
「辛いな」と感じている時、どうしても「何がダメなのか」を考えてしまいがちですね。私がダメ。あの人がダメ。親がダメ。恋人がダメ。会社がダメ。上司がダメ。同僚がダメ。取引先がダメ。私の過去がダメ。だから私の未来もダメ…なんて。
いろいろなことに「ダメ出し」をしては、その正しさを証明しようと、あれこれ考え出してしまう。これって、気持ちが辛い時の特徴です。
普段、ロジカルに考えることの苦手な人が、なぜか、気持ちの辛い時に限って、ロジカル・シンキングになってしまうのです。
「なんで私がダメって、だって、仕事はできないし、恋人にふられたし、お金もないし…」…。
「なぜ私がダメのか」(Why)という問いをたて、「なぜならば…」(Because)と理由が並んでいますね。これ、とてもロジカル(論理的)です。ロジカルに答えを出すと「正しい感じ」がします。
この「正しい感じ」がやっかいなのです。だって、正しい答えの出ることに人間は、ちょっとした快感を覚えるからです。
「私がダメなのは、正しい」👉「正解です!あなたは正しい答えを導き出しました!おめでとうございます」
するとどうなるのでしょう。
そうですね。人は正しい答えの出る「快感」を求めて、同じことを繰り返そうとします。これでは「辛い気持ち」はますばかりです。心は、もっと疲れてしまいます。
ネガティブなことを繰り返し考えてしまうことは、心理学で「反すう」と呼ばれます。
「マインド・ワンダリング」(Mind Wandering)という言葉もあります。ワンダリングの意味は「さまよう」です。ですので、「マインド・ワンダリング」とは、あれこれ思考がさまよい続けること。
ネガティブな「反すう」では、つらい気持ちをなんとか楽にしようと考えることが、実は、逆効果になっているのです。皮肉なものです…。
だから、ネガティブな反すうをやめましょう。そのために、「問い」の立て方を変えましょう。
「なぜ、ダメなのか?」ではなくて、「どするのがよいことか?」です。
今、あなたはとても辛い気持ちになっています。
それには何らかの理由があるでしょう。その理由を明らかにすることは、確かに、大切です。でも、もっと大切なことは、あなたが辛い気持ちを手放して、元気に笑顔になることですね。
だから、元気に笑顔になるために「何をするか」の方がよっぽど大事です。
繰り返し考えるなら、「今、どうするのがよいことか?」を考えてみましょう。
「どうする」とは、行動です。行動とは、手を動かし、足を動かし、何かをすることです。とても現実的で具体的です。体を動かすことは、気持ちの切り替えにもなります。
「なぜ、ダメなのか?」は、頭のなかでいつまでも考えられてしまう、非現実的で抽象的な「考え方」です。
そこで…、
これ以上、考えても仕方ないから、………しよう。
この「………」の部分を考え出してみてください。あなたが自分らしく、元気になるために。
ご飯を食べるのでも、仲のよい友達にラインするでも、散歩するのでも、ついでにコンビニに寄るのでも、そして「ふて寝」するのでもいいでしょう。寝るのだって、立派な行動のひとつです。とにかく、よりよい自分になるために、よりよい未来を信じて、「何かをする」のです。
「じゃあ、なぜダメなのか?は、考えなくていいのか?」ですって。
はい。いいのです。それは後で考えましょう。だって、辛い気持ちを手放すのには、何かをすることの方が、よっぽど効果的なのですから…。
「今、どうするのがよいことなのか?」を考えて、行動してみよう!
2.考えていないで、とにかく書いてみる
辛い気持ちを楽にしようとする時、ネガティブな「反すう」や「マインド・ワンダリング」が逆効果になることを書きました。そして、行動することがいいですよ、とも…。
そこで、行動することのひとつです。
今、自分が思っていることを、考えていること、感じていることを、とにかく書き出してみるのです。
これは「ジャーナリング」(journaling)と呼ばれる、心を整える手法のひとつです。ジャーナリングは「書く瞑想」ともいわれますね。
ジャーナリングには3つの効果があります。
- カタルシス(感情の浄化):言いたいことを書いて外に出すことで、感情が浄化される。
- オートクライン(気づき):書いたことを眺める「客観視」によって新たな気づきがある。
- デタッチメント(距離をとる):自分の中にある辛い気持ちを外に出すことで、「悩みと距離がとれた」感覚が生まれる。
❶カタルシスとは、「浄化」を意味します。ためこんだ感情を外に出すことで、浄化されることが「カタルシス」です。感情の解放ともいえますね。頭の中であれこれ考えていては、外に出せていないので、「カタルシス」が起きにくいのです。
誰かに話すことがより効果的ですが、独りで書くことによってもカタルシス効果はあります。
オートクラインとは、コーチングの用語です。もともとは医学の用語で、細胞やホルモンの「自己分泌」を意味していました。これがコーチングの世界で、「自分で話したことに自分で気づくこと」の意味で使われるようになりました。
話したり書いたりしていると、無意識が動いて、予想できなかった思わぬ「よい考え」が生まれてくるのです。
デタッチメントの意味は、英語で「分離」です。心理学では「無関心」とか「関心のなさ」つまり「人や出来事から距離をとっている状態」を意味します。また、欲求を克服してより高い視点を獲得することを意味することもあります。宗教でいう、解脱や悟りの境地ですね。
辛い気持ちでいる時は、「辛い感情」に飲み込まれている状態です。だから、感情と距離をとること、感情の外に出ることが大切です。書くことによって、「辛い気持ちの全体像」を見ることによって、感情から距離をとれる感覚になります。この感覚を覚えた時、ふと、少しだけ気持ちが楽になっている自分に気づくでしょう。
ジャーナリングのやり方は簡単です。紙とペンを1本用意して、とにかく書くことです。誰にも見られないのですから、心のブレーキを外しましょう。誰かの悪口を書いてもいいですよ。いい人をやめましょう。とにかく自由に…何でもあり、です。
「ジャーナリング」の効果について書きましたが、効果とか目的を気にせずに、あまり難しく考えずに、気楽にやることが大事です。とにかく、やってみましょう。
心のブレーキを外して、今の気持ち、今の考えを書き出してみよう!
3. 厳しくしないで、優しくしてみる
心理学に「セルフ・コンパッション」という考え方があります。
セルフは「自己」で、コンパッションは「慈しみの心」を意味します。ですので、「セルフ・コンパッション」とは、慈しみの心を自分に向けて、自分に優しくすることです。
辛い気持ちになると、人はつい批判的になって、自分を責めてしまいます。
「私はなんてダメなんだ」「もっと才能があれば、こんなことにならなかったのに」「あの時、私がちゃんとしてなかったから、こんなひどいことになってしまった」
ジャーナリングのやり方は簡単です。紙とペンを1本用意して、とにかく書くことです。誰にも見られないのですから、心のブレーキを外しましょう。誰かの悪口を書いてもいいですよ。いい人をやめましょう。とにかく自由に…何でもあり、です。
辛い時、自分を責めてしまうのは、本当に仕方のないことです。でも、責めて自分を裁いてしまっては、辛い気持ちがどんどん強くなってしまいます。まさに火に油をそそぐようなものです。
火が出たら、油ではなく水を注ぎましょう。水を注いで、火の勢いをおさえましょう。
辛い時、その水の役割を果たすのが、あなたの心に確かにある「コンパッション」(慈しみの心)です。セルフ・コンパッションの世界的権威のクリスティン・ネフ博士は、こう書いています。
セルフ・コンパッションが人生における感情的なウェル・ビーングと満足感を獲得する上で非常に有効な方法であることが証明されている。困難なことではあるが、人間としての経験を抱えながら自分に対して無条件の優しさと安らぎを与えることによって、恐怖や否定的な考え、孤立といった破壊的なパターンを回避することができる。同時に、セルフ・コンパッションは幸福や楽観性などのポジティブな心の状態を育てる。
『セルフ・コンパッション』(クリスティーン・ネフ 金剛出版)p21
セルフ・コンパッションを発揮する、ちょっとしたコツがありますので、お伝えします。次の質問に、答えてみてください。答えを書いてもいいですよ。
あなたの、とても仲のよい友だち(友人)、もしくは、愛する人(恋人)が、とても辛い気持ちで落ち込んでいます。あなたは、何と声をかけますか。
仲のよい友だち、愛する人なのですから、まさか批判したり責めたいしないですよね。元気づけよう、勇気づけようと、「大丈夫だよ」とか「何とかなるよ」と、ポジティブな言葉をかけますよね。
今、あなたが答えた言葉を、そのまま自分にかけるのです。今、あなたが抱いた慈しみの心をそのまま自分に向けるのです。
私はセルフ・コンパッションの瞑想セミナーを数多く開催しててきました。「なんだか自分を甘やかすようで、抵抗感があります」とのご感想をよくお聞きします。これはとても大切な質問です。「セルフ・コンパッション」とは「自分を甘やかすこと」ではありません。
辛い気持ちを抱いている「自分との関係」を見つめ直すきっかけにするのです。抵抗感があるとは、「自分に厳しくする自分に慣れている」ことを意味します。
自分に厳しく、他人に優しく。
この思考パターンが私たちの常識になっています。決して間違いではないのですが、辛い気持ちを抱く時には、この思考パターンが、自分を苦しめることになるのです。
「落ち込んでも、自分に厳しくする」という思考パターンがあるから、辛い気持ちが、なかなか楽にならないのです。だから、この思考パターンを見つめ直すのです。
友人や愛する人に優しい言葉をかけることが「普通」です。慈しみの心を向けられることで、人は元気を出せると考えるのが「普通」です。その「普通」を、自分にも当てはめるのです。
友人や愛する人が人間であるように、あなたも同じひとりの人間です。
だから、そんなに厳しくしないで、慈しみの心で、自分に優しくしましょう。
辛い時ほど、慈しみの心で自分に優しくしてみよう!
4. 評価しないで、受け入れてみる
さて、いきなり問題です。
沖縄(日本)、サルデーニャ島(イタリア)、イカリア島(ギリシャ)、ロマリンダ(米カリフォルニア州)、ニコヤ半島(コスタリカ)。この地域に共通している特徴は何でしょう?
沖縄があるので、直感で、わかった人もいるかもしれません。そうです。この地域で暮らす人たちが「長寿」であることです。長生きする人が多いエリアです。これを「ブルーゾーン」といいます。
ブルーゾーンで暮らす人たちには、次の9つの特徴があるといわれます。※1
- 適度な運動を続ける
- 腹八分で摂取カロリーを抑える
- 植物性食品を食べる
- 適度に赤ワインを飲む
- はっきりした目的意識を持つ
- 人生をスローダウンする
- 信仰心を持つ
- 家族を最優先にする
- 人とつながる
様々な参考にある項目がありますが、ここでは、❻「人生をスローダウン」するに注目します。
海や山とともにゆっくりと暮らす。ライフスタイルが「スロー」であることは、心によい影響を与えます。また、心の中が「スロー」で、ゆったりしていることも、大事なことです。
沖縄の方言に「なんくるないさ〜」があります。聞いたことがあると思います。この方言は本来、「まくとぅーそーけー(正しいことをしていれば)、なんくるないさ(なんとかなるさ)」と使われていたそうです。
ただ、沖縄の人たちも現在では、「なんくるないさ」を「なんとかなるよ」というシンプルな意味で使っているそうです。
「そんな深刻にならずに気軽に考えてやっていこうよ」
そんな風に、今起きている事態をまずは受け入れて、楽観的になろうとする時に使う言葉です。
楽観的であることは、「スローな心」をつくります。
私たちの心がせわしくなるのは、「あれがいい、これはダメ」と、評価をしている時です。もちろん、評価をするからこそ、人生のさまざま場面で、AかBかを選択して、人生をつくっていくことができます。
ただ、「いいか悪いか」「ダメかOKか」という評価・判断をくりかえすことは、感情を浮き沈みを激しくすることにもなります。
人生、いいことばかり続けば、いいのですね。
でも、そうならないのが現実であって、「悪い」「ダメ」を評価する「ダメ出し」は、それが過ぎると、心のエネルギーがどんどん消耗していきます。その結果、辛い気持ちが積み重なっていってしまいます。
だから、「なんくるないさ」「なんとかなるさ」の精神で、受け入れてみるのです。
私の知人に、いつも明るくて元気な人がいます。ある時、話をしてると、嫌な出来事が起きた時には、「そう来たか!」とつぶやくようにしている、とのことでした。「そう来たか!」は、ダメ出しではありません。その状況を拒絶していません。いったん受けれて、さあどうするかと考える楽観的な心の姿勢ですね。
神様は、乗り越えられない試練を与えない、といいます。
今、あなたの抱いている辛い気持ちも、いつか手放せるから、今、あなたの中にあるのです。そこに深い意味があります。
「あれもダメ、これもダメ」なんて否定ばかりして、心を忙しくさせずに、今の状況をいったん受け入れてみましょう!受け入れたところから、新たな知恵が生まれてくるものです。
「なんくるないさ」の精神で、今の自分を、今の状況を受け入れてみよう!
5. じっとしていないで、外に出て動いてみる
マインドフルネスが日本で広まっていく2016年にNHKスペシャルで「キラーストレス」が2回に分けて放映されました。2回目のタイトルは、「ストレスから脳を守れー最新科学で迫る対処法」でした。
この最新科学で紹介されたストレスへの科学的対処法のひとつが、「マインドフルネス瞑想」です。
瞑想には、脳の神経細胞を再生する働きまであり、うつ病に代表される「心の病」に、とても効果的なことが解説されていました。
瞑想の話をしましたので、瞑想を指導している私としては、「辛い気持ちを楽にするのに瞑想をしましょう」といいたいところですが、ここでは、「外に出て体を動かしましょう」とお伝えすることにします。
といいますのは、NHKスペシャル「キラーストレス」では「運動」については、さらっとふれただけだったのですが、ストレス対処のポイントとして、「運動」の効果も科学的に証明されたていたのです。
辛い気持ちを楽にするには、外に出てからだを動かしましょう。
こう書くと、あまりに普通かもしれません。でも、やっぱりこれって大切なことです。
うつ病の人は、脳内の「セロトニン」という神経伝達物質が少なくなっています。「セロトニン」は、気分の浮き沈みに深く関係し、精神を安定させる働きがあります。
「セロトニン」は、「幸せホルモン」とも呼ばれます。「セロトニン」が少なくなると、心が不安定になるのです。辛い気持ちがわきおこってきます。
だから、「セロトニン」を増やすことが、辛い気持ちを楽にする方法です。
では、「セロトニン」はどうやって増やせるのでしょう。その答えが「運動」と「瞑想」です。
セロトニンは、朝の太陽の光を浴びると、より分泌されることがわかっています。家のなかでジムで体を動かすことも、もちろんよいのですが、より効果的なのは、朝、外に出て太陽の光を浴びながら運動することです。
運動が苦手な人は、走らないまでも、ただ歩くだけでもいいのです。一定のリズムで20分ほど歩くことで、セロトニンが分泌されてきます。
日本でセロトニンの権威といえば、医学博士有田秀穂氏です。長らく東邦大学医学部教授として活躍し、定年退職後、東京(御徒町)で「セロトニンDojo」を開設し、多くの人々の「心のケア」に取り組んでいます。セロトニン研究の第一人者です。
有田博士は、『自律神経をリセットする太陽の浴び方』(山と渓谷社)の中で、こう書いています。
脳内セロトニンを増やすために行うのが、ウォーキングやジョギングの生活習慣だ。雨が降ろうと、雪が降ろうと、毎朝、続けている人たちがいる。私も若い頃は習慣にしていた。1日が気持ちよくスタートできるからだ。この行動も、間違いなく脳内セロトニン分泌を促して、元気な状態を作り出す。朝日を浴びながらやれば、二重のセロトニン活性効果になる。
『自律神経をリセットする太陽の浴び方』(山と渓谷社)
体を動かすことで、気分がすっきりした経験をお持ちの人も多いと思います。
とても普通なこともかもしれませんが、普通のことのほうが、難しくなくて、辛い気持ちを楽にするのに効果的です。無理をせずに、天気のよい日に、外を歩いてみましょう。
外に出て、朝日を浴びながら、からだを動かしてみよう!
まとめ
辛い気持ちを楽にする方法について書いてきました。各章の知恵を並べると、こうなります。
- 「今、どうするのがよいことなのか?」を考えて、行動してみよう!
- 心のブレーキを外して、今の気持ち、今の考えを書き出してみよう!
- 辛い時ほど、慈しみの心で自分に優しくしてみよう!
- 「なんくるないさ」の精神で、今の自分を、今の状況を受け入れてみよう!
- 外に出て、朝日を浴びながら、からだを動かしてみよう!
さて、冒頭、辛い気持ちを楽にするのに大切なたったひとつのこととは、「心の視野を広げること」と書いていました。途中、「心の視野」についてはふれませんでしたが、この5つを組み合わせて実践していけば、自然と「心の視野」は広がっていきます。
また、ここまで読んでくださり、もし、何か新しい気づきがあったのなら、それもまた「心の視野が広がったこと」といえると思います。
辛い気持ちを、無理に、楽にすることはありません。
なぜなら、辛い気持ちを抱くことが、あなたの心の成長にとって、とても意味のあることだからです。
だから、上手につきあっていくことが大事なのだと思います。
ここであげた5つの知恵は、辛い気持ちと友だちになる方法ともいえます。
人生、山あり谷ありです。どうぞ、その辛い気持ちと上手につきあいながら、あなたの人生が輝かしいものになることをお祈りいたします。
最後に、私の好きな言葉ーマインドフルネス瞑想の大家ジョン・カバットジンの名言を記して、本コラムを終えます。
やっかいごとだらけの人生をまるごと抱きしめよう!
『マインドフルネス低減法』(ジョン・カバットジン 北大路書房)
(文:松山 淳)
※1 「BeyondHealth」長寿エリア、ブルーゾーン沖縄への誘い琉球大学の荒川雅志教授に聞くアフターコロナのウェルネス(日経BP)