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『リーダーへ贈る108通の手紙』

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【47通目】「対立と成長」矛盾があるから成長がある〜田坂広志の思想から!

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《対立と成長》
                  
          『リーダーへ贈る108通の手紙3』
            http://www.earthship-c.com

                                09.08.19
                                 47通目
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  リーダー様へ

  拝啓 せせらぎの 流れる音に なつかしさ 

  いかがお過ごしでしょうか?

  2009年の葉月も中旬となりました。
  お盆休みを取られた方も多いと思いますし、
  今週、お休みになっている人もいるかと思います。

  お盆休み、私は、久しぶりに「上高地」に行ってきました。
  マイカーの乗り入れを禁止し、自然が自然であることを
  必死になって守ろうとしている所ですね。
  
  中心を「梓川」という清流が流れています。
  その日は紺碧の空。
  太陽の光がふりそそぎ、キラキラと光る透明度の高い川を見ていると、
  川とはかつて、どの川もがこうした光を放っていたのだろうな〜と
  なつかしさを感じました。

  その「なつかしさ」とは、
  私が生まれ、これまで生きてきた体験の記憶からくる
  「なつかしさ」ではなくて、
  人間もまた地球に生きる生物に過ぎないことをふと自覚した時に感じる
  DNAに眠る太古の記憶にふれた「なつかしさ」のようでした。

   雪解け水をふんだんに含んだ川が音をたて流れています。
   原生林から野鳥の声が聞こえてきています。
   見上げると青空を背負った北アルプス唯一の活火山「焼岳」が、
   悠然とそびえ、人間をみつめています。
   まっさらな雲がゆっくりと形をかえゆく・・・。

  近代になり、人間が汚してしまったたくさんの川が、日本にはあります。
  ただ、こうした川や自然が、この日本には残っているのだと思うと、
  未来への希望が湧いてきます。

  
   希望をつぶすのが人間であるならば、
   希望をつくりだすのもまた人間である。  
    

  そんなことを、ふと思った上高地への旅でした。
  
  〜〜〜

  そして、さあメルマガを書こうと思い、手にした本を開くと
  こんな言葉が目に飛び込んできました。
  敬愛する田坂広志氏の新刊『目に見えない資本主義』(東洋経済新報社)です。

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  

   『経営者や社員の倫理観を高めるためには、
    「社会に対して、良きことを為そう」と呼びかけ、
    使命感に働きかけることが最も正しい方法なのである。
    なぜなら、社会に対して良きことを為そう、
    社会に貢献しようと考える人物は、自然に、社会に対して
    悪しきことを為そうとは思わないからである』

       『目に見えない資本主義』(著 田坂広志 東洋経済新報社)より
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

  このメルマガ『リーダーへ贈る108通の手紙』は、おかげさまで
  多くの人に支持され、2003年の発行当初には考えられなかった
  反響を呼ぶまでになりました。       

  ただ、正直言って、そこに戸惑いもあります。
  それは・・・果たして自分がこうした
  (例えば上高地へ行った経験から自然の大切さを訴えるような)
  ことを書く資格があるのかという葛藤です。

  それはどうしても拭いきれません。

  かつての私は、未来への自覚もなく生き、
  自然を大切にするどころか、むしろ、平然とそれを破壊する側にいた
  人間だったのではないか・・・。  

   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   「聴くこと(カウンセリング/コンサルティング)
    書くこと(出版/メルマガ/ブログなど)
    話すこと(講演/セミナー) 
    で、ビジネスリーダーへ笑顔を贈り日本の未来を変える」
   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  そんな奇麗な言葉で自分の「使命」を装飾しつつ、
  このメルマガを約6年間書き続ける動機付けには、
  「社会に対して良きことを為そう」との想いがありながらも、
  裏側に、かつての自分がしてきたことへの「罪滅ぼし」のような
  ドロドロとした意識があるのです。

  その「罪の意識」とも言える何かが、
  何かを書かなければ・・・との強い動機になってもいる。

    ★「罪の意識」vs.「善の意識」
    

  私のなかで対立し続ける、この意識は、かつてよりも薄れつつ
  心の深いところに厳然と存在しています。

  〜〜〜

  ただ、私はここで「薄れつつ」と書きました。

   過去は変えられないが、未来は変えられる。
   過去の出来事は変えられないが、
   過去をどう感じ、どうとらえるかは変えられる。

  そんなことを思いつつ、田坂先生の著作から学んだ
  「ヘーゲルの弁証法」のある法則が頭をよぎります。

   ──────────────────────── 
    ★「対立物の相互浸透」による発展の法則

      対立し、競っているもの同士は、
      互いに、似てくる。
   ──────────────────────── 
 
  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   
    「弁証法においては、古いものと新しいもの、
     否定するものと、否定されるもの、といった、
     対立し、競っているように見える二つのものが、
     互いに相手を包み込んでいき、結果として、
     両者が「融合」し、「統合」されていくのです」

      『未来を予見する「5つの法則」』(著 田坂広志PHP)より 
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4334975461/earthshccom0c-22/ref=nosim

    ◆「リアル・ビジネス」vs.「ネット・ビジネス」
    ◆「証券会社」vs.「銀行」
    ◆「営利企業」vs.「非営利組織」

  などなど、田坂先生は、対立物が相互浸透しきた
  世の中の大きな流れを予見してきました。
  
  ヘーゲルが洞察した【「対立物の相互浸透」による発展の法則】とは、
  人の心の動きにも当てはまるように思います。

  心に居座り続けてきた【「罪の意識」vs.「善の意識」】は、
  対立しつつ、葛藤を生み出しながらも、時に感じる苦しさは、
  確かに、和らいできているのです。

  例えば、こうしたコトがふと頭をよぎる
  リーダーの方もいるのではないでしょうか?

   「部下を成長させたい、助けてやりたい。
    本当にそう思っている。
    でも、心の中、どこかで、それは自分の評価に関わるからで、
    自分の保身のため、エゴのなせる技なのではないか・・・」
   

   ◆「小我」vs.「大我」

  心の中で感じる、この矛盾はその人にとっての真実です。

  「いいことをしたい」と思いつつ、
  世間の目を気にしたり、自分がいい人ぶっているように思え、嫌になり
  「いいことをしたい」と考える自分を、敢えて、
  貶(おとし)めたり、傷つけたり、卑下したりしてみる。

  でも、この矛盾した意識は、どちらが「正しいか」ではなくて、
  矛盾しながら同時に、存在し、双方とも自分なのであるということを
  受け入れることが正しいことなのでしょう。

  人間、嘘もつきますし、仕事もさぼります。
  悪いことをするものです。
  私もそうです。

  でも、人間は、嘘をつかず、寝ずに仕事をして、
  「世のため人のために」と、がんばるのも事実です。

  ゆっくりと時間をかけながら、
  【「対立物の相互浸透」による発展の法則】にのっとり、
  対立する心の意識は、融合され、統合され
  そうして・・・人の心は成長していく。

  「葛藤」や「矛盾」があるからこそ、成長がある。  

  〜〜〜 
  
  『目に見えない資本主義』に、こうした一文がありました。
  
 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  

   『日本人は、「人為」によって何かを為すことに最高の価値を置かず、
    その「大いなるもの」に導かれて物事が自ずと然る「自然(じねん)」
    という状態に最高の価値を置いていた。
    その「自然」の思想の根本には、やはり、我々が生きることの世界と
    自分自身を一体のものと感じる
    「自他一体」「主客一体」の思想がある』

       『目に見えない資本主義』(著 田坂広志 東洋経済新報社)より
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4492395180/earthshccom0c-22/ref=nosim
 

  田坂先生は『目に見えない資本主義』にて
  日本人がかつて大切にしていた「古く懐かしい価値」をベースにした
  経営観が復活してくると予見しています。

  西洋近代合理主義の経営手法が脚光を浴び、導入され続けてきた日本において
  「自他一体」「主客一体」といった日本人固有の価値観を大切にする
  経営観は、確かに薄れいったのかもしれません。

  ですが、無くなったわけではありませんでした。
  100年、200年と続く「老舗」と呼ばれる会社や企業は、
  「家訓」と呼ばれる「理念」を把持しつつ、存続を続けています。

  日本は、老舗大国です。世界最古の会社は日本にあり、
  個人商店などを含めて100年以上存続する会社は、
  10万以上あるだろうと言われています。
  これは米国やヨーロッパの比ではないのです。
  世界に例を見ないことです。
     
  〜〜〜

  老舗を研究した著『千年働いてきました』(著 野村進 角川書店)には、
  老舗の共通項として5つがあげられています。

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  

   1)同族経営は多いものの、血族に固執せず、企業存続のためなら
     よそから優れた人材を取り入れるのを躊躇しないこと。

   2)時代の変化にしなやかに対応してきたこと。

   3)時代に対応した製品を生み出しつつも、創業以来の家業の部分は、
     頑固に守り抜いていること。

   4)それぞれの“分”をわきまえていること。

   5)「町人の正義」を実績してきた。
    ※「町人の正義」とは、「売り手と買い手とが、
      公正と信頼を取り引きの基盤に据えてきた」こと。
    

           『千年働いてきました』(著 野村進 角川書店)より
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4047100765/earthshccom0c-22/ref=nosim

  
   ★同族 vs. 非同族
   ★時代の変化 vs.本業の維持 
   ★規模の拡大 vs. 「分」のわきまえ

  
  この5つの共通項からも、「対立」が読み取れ、
  その「対立」から逃げずに、融合、統合していった事実が
  老舗企業には存在するようです。
   
  だからこそ・・・老舗湧心酒造の徳山社長の言葉。

   ───────────────────────
   「企業が存続するには、大きい倫理と理念が必要」 
   ───────────────────────

  リーダーであれば、批判されたり、悪口を言われたり、
  時には、偽善者ぶっていると、陰口を叩かれるかもしれません。

  ですが・・・その「対立」を融合、統合し、
  「社会に対して良きことを為そう」という
  「使命感」だけは忘れたくありません。

  〜〜〜

  本日はこれにて・・・。

  お忙しいなか、最後までお読みいただき
  本当にどうもありがとうございます。感謝!感謝です!

  東京は、お盆が明けてツクツクホーシが泣いています。
  暑さが厳しい折ですので、
  大切な大切なおからだを、くれぐれもご自愛なさって下さい。
   
  そして、2009年の「葉月」が、あなた様にとって
  決して忘れることのできない、実り多い時間となることを
  心よりお祈りしています。

      
              「元氣・勇氣・やる氣」で!
             
                 
                  (^人^)
 
                                 敬具

   平成二十一年八月十九日

                              松山 淳より

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 ◆自問自答◆

 1)私は、社内の矛盾から逃げていないだろうか?

 2)私は、自分の矛盾を受け入れずにいないだろうか?

 3)私は、自分の「理念」を大切にできているのだろうか?

※自問自答は、あなたの「心」を見つめる作業です。
 継続することで、見失っていた大切なことに気づくことがあります。
 30秒でもかまいませんので、上の質問を、ちょっと考えてみて下さい。
 終わったら、スクロールして下の【ことば】を読んで下さい!
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 ◆103℃ WORD◆

                         「矛盾は成長の源」  
     
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 ◆追伸◆

 ◆ビジネス系の書評ブログでは、圧倒的な質の高さを誇る「ビジネス書の社」で、
  拙著『真のリーダーに導く7通の手紙』を紹介して頂けました。
  まさか、紹介してもらえるとは思ってもみませんで、ホントウに嬉しい限りです。
   ↓↓↓
  http://people.weblogs.jp/books/2009/08/post-d620.html

  どうもありがとうございました!

 ◆上高地には、焼岳が噴火した時にできた池があります。
  噴火が大正時代なので「大正池」と言います。
  ここから大人の足ですと約1時間かけて「河童橋」という、
  穂高連峰が一望できる名所まで歩くことができます。

  しかし、それはあくまで大人の足であって・・・。

  2歳、4歳、10歳の子どもを連れて歩きますと、
  2歳の子は、「だっこ、だっこ」となり、4歳の子は、
 「だっこ」とは言わないまでも、「もう歩けない、疲れた〜」と
  遠回しに「だっこ」をねだってきます。

  かわるがわる「だっこ」をしたり、肩車をしたりしながら歩き、
  「河童橋」に着いた時には、へとへとでした(笑)
  ですが、清流に足をひたし、穂高連邦に目をやると、疲れも吹き飛びます。
  「だっこ」はたいへんですが・・・(笑)
  目に見えないものを感じに、また行きたいものです。    

  

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【ことば】
 
   「目に見えない価値を見つめる企業経営」

                          (田坂広志)

        
        『目に見えない資本主義』(著 田坂広志 東洋経済新報社)より

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世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

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