ビジネスリーダーへ元気・勇気・やる気を贈るメールマガジン

『リーダーへ贈る108通の手紙』

HOME > メルマガ > 2007バックナンバー > 【第21話-自覚(4)】

【番外編】「第21話-自覚(4)」リーダーも人、流れる涙。

『リーダーへ贈る108通の手紙』【番外編】
*************************************
☆この物語は「ビジネスリーダーへの応援歌」をコンセプトとした創作です。

            『Starting Over』
              〜リーダーの涙☆〜
 
                                07.2.8
                           【第21話-自覚(4)】 
*************************************
【主人公は43歳。中小企業の営業課長!】

 >>>

  がたがたと椅子の音がしました。
  私は怖くなり下を向きました。 

  「営業課長」

  という嶋社長の怒鳴り声が耳に突き刺さり、
  驚いて顔を上げると、会議室で着席していたのは私と社長だけでした。
  目が合いました。顔がかつての温和な表情に戻っています。

  「よくやったな」

  と、口が動いたかと思うとすぐに席を立ってしまいました。

  他の役員も無言で後に続きます。
  私は何が起きたのか事態を飲み込めず立ち上がれません。
  役員たちの姿を目で追うだけです。

  窪塚専務の頬に涙が光っていました。

  〜〜〜

   ・
   ・
   ・

  その夜、家の机に向かってこれまでの自分の行いや
  心にある思いを自問自答しながら書き出していました。

  すると、寝たはずの長男が起きてきました。
  おしっこかなと思い椅子から立とうとすると、
 
  「お父さんは大きくなったら何になりたいの」

  と尋ねてきました。

  四十三歳にもなって、もう大きくなりようもないと思ったのですが、

  ふっと・・・

  「お父さんはね、お前のじいじのような立派な経営者になりたんだよ」

  と、答えていました。

  「そう、それはよかったね、お父さん」

  と、目をこすりながら息子が言いました。 

  襖をあけて隣の部屋に入っていく後ろ姿を見届け机に向きなおると、
  ペンを持つ手の甲に雫(しずく)が垂れました。
  雨漏りでもしているのかと天井を見上げると、
  自分の目から涙が流れ出していることに気づきました。

  悲しくもないのに泣いているのです。
  止めよにも涙が止まらないのです。
  私が泣いているのではないのです。
  私ではない私が泣いているのです。

  すると突然、得体の知れない感情が胸の奥底から突き上あがり、
  私は声をあげて泣き出してしまいました。

  子どもと一緒に寝ていた美佐子が襖を開けて

  「どうしたの、大丈夫」

  と声をかけてきました。

  四十過ぎた男が泣いているところなど見せたくありません。
 
  だから、

  「なんでもない早く寝ろ」

  と、美佐子の優しい言葉を突き返してしまいました。

 

  〜〜〜
 

   あなたは大人になって泣いたことがありますか。
   辛いこと、悲しいこと、
   厳しい現実に押しつぶされそうになったことはないのですか。
   そんな時、誰を頼りにしていたのですか。
   同僚ですか、友ですか、妻ですか。
   どうして愚痴一つ言わない人だったのですか。
   どうしてそんなに強い人だったのですか。
   私は「母を見捨てた」とあなたを憎み続けてきました。
   でも、それは違っていたようです。
   私はあなたの背中をずっと追いかけてきたのです。
   嶋社長に「よくやったな」と言われた時、
   まるであなたに言われているように感じました。
   私は高校受験に失敗した時、優しい言葉をかけてもらいたかったのです。
   大学卒業して本当は、すぐにでもあなたの会社に入りたかったのです。
   リストラされた時も何か助言して欲しかったのです。
   小さい頃よくキャッチボールをしましたね。
   あなたが青空高く投げたボールを私がうまく捕ると、
   「うまいぞ、その調子だ」
   って、かけよって頭をなでてくれました。
   私はあなたに認めてもらいたかったのです。
   あの日、あなたが頭をなでてくれた時のように・・・。
   ただ、それだけだったのです。
   けれどもうできません。あなたはいないのですから。
   情けない生き方をしてきてしまった。
   悔いの残る人生を歩んでしまった。
   どうして自分のことをもっと早く、もっと深く知ろうとしなかったのか。
   どれだけの時間を無駄にしてしまったのか。
   人生は一回しかないのに。

 

    お父さん、お父さん、お父さん・・・。
 
 

                              

                                敬具

 

  〜〜〜 

 

     時を巻き戻すことはできない。

     時間は残酷なのではなく生真面目なのだ。

     過ぎた時間を悔やむのではなく
     去るべき自分と対峙せよ、
     縛られた自分を見極めよ。

     時は戻らずとも
     過ぎた自分を取り戻すことなど
     いつでもできるのだから。

 

 

                             つづく・・・

 

                 [次回配信 2/13(火)18:00頃]

※【番外編】は毎週2回(火曜日・木曜日)配信です!
※この物語はフィクションです。実在する人物、団体とは関係ありません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

《あとがき》

  ◆本日も、お仕事、お疲れさまです!

   いよいよ、この物語も残り3話となりました。
   2月20日(火)が最終回です。
   読後のご感想を頂けた皆様には、抽選で「本のプレゼント」なども
   考えております。
   今後、また何かの物語を執筆する際の参考にしたいと思っております。

   お忙しいなか、お時間を割いて頂くことには、誠に恐縮いたしますが、
   若輩者を育てるという意味で、お言葉を頂けたら幸いです。

   詳細については、改めてお知らせします。
   無事、2/20に配信を終えましたら、どうぞ宜しくお願い申し上げます。         

  ◆さてさて、今日の「壁の言葉」は・・・!

  
 《今日の「壁の言葉」》

  道草がなければ進歩はありえない
     
  (米国音楽家 フランク・ザッパ)
 

   ◇フランク・ザッパ(1940〜1993)は、ロック、ジャズ、フュージョン
    など、ジャンルを越え膨大な音楽をつくり上げた米国音楽界の巨人です。
  
   ◇ジョン・レノンとも親交が深く、麻薬撲滅や戦争反対のメッセージを
    明確にし、社会的な発言をし続けた人でした。

   ◇自分自身が停滞していると思い、焦る気持ちに支配されている時、
    えてして、まわりが見えていない時があります。

   ◇近道は楽ですが、その分、拾い物が少ないのかもしれません。

   ◇遠回りしてしまったと後悔しつつ、でも・・・
    その時の中で得たかけがえのない教訓は、
    道草をしたからこそつかめた大きな拾い物。

    「進歩するとは時間や距離の問題ではないはずです!」
        
※参考文献
『「あなたを動かす」知恵の言葉』(編 スーザン・ヘイワード PHP)

    


松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

MBTIのリーダーシップ研修

リーダー層のマインドセットをチェンジする。世界50ヵ国以上の企業が導入するMBTI自己分析メソッドを活用したリーダー研修。資料(PDF)をメールいたします!

サーンバントリーダーシップ研修

「強さ」「有能さ」を全面に押し出すのはなく、「支える」ことでフォロワーたちを導くリーダーシップ・スタイルがあります!女性管理職、次世代リーダーに向いたリーダーシップとして好評!

アースシップ・コンサルティング・ロゴ

アースシップ・コンサルティング
〒152-0034 東京都目黒区緑が丘1-6-4 TEL&FAX(03)3725-4277

e-mail:j@earthship-c.com