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『リーダーへ贈る108通の手紙』

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【番外編】「第20話-自覚(3)」取締役会での想定外の事態。

『リーダーへ贈る108通の手紙』【番外編】
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☆この物語は「ビジネスリーダーへの応援歌」をコンセプトとした創作です。

            『Starting Over』
              〜リーダーの涙☆〜
 
                                07.2.6
                           【第20話-自覚(3)】 
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【主人公は43歳。中小企業の営業課長!】

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  翌日の朝から、会社の玄関の前に立ち、
  出社してくる各部の役職者の了承を得て、
  始業時刻になるまで署名のお願いをしました。

  それでも甘くありませんでした。

  工場長の言っていた通りです。
  言葉にはしませんが、
  私のことを毛嫌いしている人がいることを肌で感じました。

  半ばあきらめかけ、有志の若い連中にも
  愚痴をこぼすようになってしまいました。

  ところが、工場長の同意を得られた直後から、
  急に賛同を得られるようになったのです。

  橋本さんには資料をもって何度も説明しに行きました。
  何度も同じ質問をされ、何度も同じ答えをしました。

  私が答える度、目を閉じ頷くだけの橋本さんの顔を見て、
  正直いい加減にして欲しいと思ったこともあります。

  時には、そんなこと絶対聞かれないだろうという
  質問にあきれ返りました。
  だから最後署名をもらった時には、有志の若い奴と抱き合いました。

 〜〜〜

  全員の署名が集まりました。
  すぐに秘書を通して社長へ面会を申し込みました。
  すると「取締役会の議題にあげるから、そこで説明しろ」とのことです。

  会議の前夜、生まれて初めて胃薬を飲みました。 
 
  当日、会議室に入ると小さい頃からよく知る人たちが
  真剣な顔をして座っていました。

  目の前に社長です。

  司会の総務部長が会の始まりを宣言し、検討議題を読み上げました。
  持ち時間は三十分。

  「人員削減策撤回の件については営業課長の方から説明申し上げます。
   ではよろしく」

  話をふられました。

  まず全社員の署名を提出しました。
  それから、人員削減を撤回して欲しい意向を伝え、
  配布した資料に沿ってその根拠を説明しました。

  話の途中、私の言葉を遮り鋭い質問が飛びます。
  想定問答に無い質疑が連続します。
  答えにしどろもどろになっていると、
  たたみかけるように別の役員から詰問が放たれます。
  嫌な汗が脇の下から流れ出しました。
  「針の筵」とはこのことです。

  説明を終え、壁にかけてある時計に目をやると
  一時間半もの時が過ぎていました。
  工場長を思いました。感謝しました。すごい人です。

  〜〜〜

  そして総務部長が厳かに言いました。

  「只今、営業課長より説明申し上げた人員削減策の撤回について
   賛同の方は挙手願います」

  それはほぼ同時でした。
  まるで示し合わせていたかのように、
  嶋社長を除いた全員の手があがったのです。

  嶋社長が私を見つめています。

  すると、横に座る窪塚専務が突然立ち上がり、
  私を睨みながら言いました。

 
  「今回の人員削減策の撤回につき嶋社長の責任は重大であり、
   我が社の舵取りを任せるには不適切と考えます。
   よって、ここに嶋代表取締役社長の解任を要求する
   緊急動議を提出します。賛同される方はご起立願いたい」

  がたがたと椅子の音がしました。
  私は怖くなり下を向きました。 

  「営業課長」

  という嶋社長の怒鳴り声が耳に突き刺さり、
  驚いて顔を上げると、会議室で着席していたのは私と社長だけでした。
  目が合いました。顔がかつての温和な表情に戻っています。

  「よくやったな」

  と、口が動いたかと思うとすぐに席を立ってしまいました。

  他の役員も無言で後に続きます。
  私は何が起きたのか事態を飲み込めず立ち上がれません。
  役員たちの姿を目で追うだけです。

  窪塚専務の頬に涙が光っていました。

 

 

                           つづく・・・

 

                 [次回配信 2/8(木)18:00頃]

※【番外編】は毎週2回(火曜日・木曜日)配信です!
※この物語はフィクションです。実在する人物、団体とは関係ありません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

《あとがき》

  ◆本日も、お仕事、お疲れさまです!

   東京の今日は、4月上旬なみの気温。
   先週、近くにある駒沢公園に行きましたら、
   梅の花が、咲いていました。
   メジロが、枝から枝へ飛びまわり、その景色をいきいきと・・・。

   陶芸家「河井寛次郎」氏の言葉を思い出します!

    「鳥が選んだ枝 枝が待っていた鳥」

   デジカメを不慣れに扱う初老の夫婦が、梅の木の下で寄り添い
   何かを話していました。

   季節は冬ですが、春でした。   
         

  ◆さてさて、今日の「壁の言葉」は・・・!

  
 《今日の「壁の言葉」》
   
  人生は人間に、大いなる苦労なしには、何も与えぬ

 (詩人 ホラティウス)
  

   ◇ホラティウス(B.C.65-B.C.8)は、古代ローマ時代の詩人。
  
   ◇本日の言葉は、ホラティウスの著『風刺詩』(第一巻)からです。

   ◇あまり苦労はしたくありませんが、苦労あってこそ
    喜びは、より大きなものになる!

   ◇何かとふりかかる人生の「試練」。
    その後に息をひそめ控える「喜び」。
    「喜び」と共に与えられる「何か!」

   ◇この物語の主人公は、いったい何を与えられるのでしょうか?

        
※参考文献
『ギリシア・ローマ名言集』(編集 柳沢重剛 岩波書店)

    


松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

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