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『リーダーへ贈る108通の手紙』

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【26通目】「できるかな~No.3」ジョン・ボウルビィの心理的安全基地!

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『リーダーへ贈る108通の手紙2』
 http://www.earthship-c.com

               05.09.13
               26通目
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リーダー様へ

  拝啓 いわし雲みつけて歩む秋の日を 
 
  いかがお過ごしでしょうか?  
 
  まだまだ暑い日もありますが、見上げますと、ずいぶんと
  空が高くなってきました。
  9月7日から秋分の日(9/23)まで「白露」です。
  「夏が終わり涼しくなり、野や草に露が宿って、白く見える」
  と、そんな季節をあらわす「白露」です。
  早朝、散歩に出ますと、確かに、そんなことを感じるこの頃です。
  
  2005年、残り、109日です。
 
  さて、本稿は、またも前号からのつづきということで、早速、
  本題に入っていきたいと思います。
 
  〜〜〜
  
  前号、終りにて・・・
   
  
  人の「創造性」と「堂々と恥をかける場」とは、これまた、
   結びついているものです。
 

   と述べました。で、当然のことと言えば、当然のこと!
   その当然のことをしつこく述べていくのが、本メルマガです。
   数分おつきあい下さい!
  
  〜〜〜
  さて「堂々と恥をかける場」とは、つまり、
   
   「恥をかいた、その後に、その恥を、
      恥としないでくれる人が共存している場」です。

  なんだか、まどろっこしい言い方ですが、それを、茂木氏の著から
  引用し、一言で言うと
   
   ★「心理的な安全基地」(Safe Base)

  となります。
 
  そして、この話が導き出されてくる研究が
  ジョン・ボウルビィ氏(Jhon Bowlby 1907-1990)のものです。

  氏は、1950年代、WHO(Wold Helth Organization:世界健康機関)
  の調査団の一員となり、第二次世界大戦後のイタリアにおいて
  戦災孤児などの発達に関する調査研究にあたりました。
  孤児院の子に、発達の遅れ、病気に対する抵抗力が弱い、あるいは
  問題児となる傾向が強いという事実があり、
  その原因を究明しようとしたのです。

  その結果、もう、これは現代では、一般論となっていますが、
  茂木氏の著では以下のように書かれています。   
        
  
問題を起こす児童は、多くの場合、幼少期に十分な心理的安全基地(Safe Base)
を与える保護者を欠いていた、ということを見いだしたのである。
ボウルビィは、心理的な安全基地を与えてくれる保護者に対して
幼児がいだく親近感、いつも近くにいたいと思う気持ちを「愛着(attachmennt)」と名付けた。
愛着を抱くことができる保護者がいてこそ、
幼児は心理的な安全基地を確保することができ、
不確実だが、新しい可能性を思う存分探索することができるのだ、
ということを発見したのである。

『脳と創造性』(茂木健一郎 PHP研究所)より
 

  この引用で注意したいのは、冒頭「問題を起こす」となっていますが、
  病弱であったり、言語の発達が遅いといった子も含み、
  俗に言う「問題児」ばかりを指すのではないという点です。
  そして、この調査の報告書において使われた有名な言葉が
  
   ★母性的養育の剥奪(Deprivation of Maternal Care)
 
  です。
 
  難しい言葉ですが、
  「愛着を抱くことができる保護者がいてこそ・・・」
  人は何かに挑戦しようという気になるし、その結果、創造性を発揮する
  と、茂木氏は言いたいわけです。
  そして、それは幼児教育の世界だけでなく、大人の「創造性」に関わる
  ことと指摘しています。

  〜〜〜

  会社で、部下の保護者とは?
  保護者という言葉の響きに違和感がありますが、
  それはやはり、「上司」です。

  上記に、「母性」とありますが、「母性」は「母親」だけが持つもの
  ではありません。
  父親だって「母性」を持ち、「愛着」を子に感じさせることはできます。
  ですが、さらに専門的になっていけば「母ならではの何か」とは、
  決して男親では代替えできないものとの論がでてくるのでしょうが、
  そこは百花繚乱ですので、避けて通ります。

  男性にも母性はあります。つまり、人は誰でも母性を持ちます。
  自分の部下が他部署の課長や部長に明らかな嫌がらせを受け、
  「なんとかしなければ!」と思う、
  そうであれば、それは、やはり母性のあらわれです。  
  
  〜〜〜
  
   「部下の失敗は部下の責任
             部下の手柄は私の手柄?」

  私のサラリーマン生活は約9年でした。
  そこで、幸運だったと今でも思うことは、
  上記のような上司に一度もつかなかったことです。

  特に、新入社員のまさに会社の中ではヨチヨチ歩きの「幼児」の時に、
  男気の強い先輩、上司(女性の先輩もこれがまた男気があって)
  に囲まれていました。
  
  もちろん、それに甘えていたという自戒もあるのですが、
  「最後の最後は上司がなんとかしてくれる」という
  (実際そうでした)そういった、いわば
  
   ★心理的な安全基地

  がしっかりあったのです。

  印刷ミス、スケジュールの勘違い、企画書の誤字脱字などなど
  (プレゼン中に企画書のページが1ページ
                抜けていたなんてこともありました)

  と、もう、それは笑えない数えきれない失敗をしていました。

  ですが、ノビノビと「自分らしさ」を発揮していたと、そのことは
  胸をはって言い切ることできます。 
  それは何も自分の力ではなく、やはり、先輩、上司が作り出していた
  「心理的な安全基地」があったからと、今では思います。
 
  もっと、臭い言い方をするならば、「愛情を注がれていた」と、
  そんなことは、口に出したことは一度もなかったと記憶してますが、
  きっと、心のどこかでそう感じていたのです。
 
  つまり、

   ★母性的養育の剥奪(Deprivation of Maternal Care)

  は、かけらも、なかったと思えるのです。

  〜〜〜

  つまり、そのことは「堂々と恥をかける場」があったということです。
  そして、そう感じられていたからこそ、
  時に、「自分でやろう!」という
  「自発的な行動が生まれていた」と、今更ながらに思います。
  そうです、「自発的」です。

 
「脳は自発的な活動をする時にこそ、最大の能力を発揮する」
                     
『脳と創造性』(茂木健一郎 PHP研究所)より

  どうもそうらしいのです。
  前号にて、思わぬ質問に赤面しながら答えを捜す、そんな時に
  脳はフル回転している、と書きました。
  まさにそれは自ら頭を働かせる状況に追い込まれているわけです。
  「恥をかく」とは、そういった、自発的な行動に、ある意味、
  強制的に放り込まれてしまう場のことです。
  その時、「最大の能力発揮する」のであれば、
  「成長をとげていく良いきっかけ」となることもうなずけるのです。
 
  〜〜〜

  展開します・・・

   人が成長をとげるということは、
           まさに「創造的」なことではないでしょうか?
 
  以下のことは、『脳と創造性』という著の核になっているのですが、
 
  「一部の限られた天才ばかりが、創造的なことをしているのではない」

  といったことを茂木氏は、繰り返しています。

  〜〜〜

  そして、私の尊敬する河合隼雄氏(心理療法家)もまた、
  そのことを様々な著で述べています。
  最近、読んだ『ナバホへの旅 たましいの風景』(朝日新聞社)では
  http://www.earthship-c.com/Books.html
  以下のようにです・・・
 
「創造性というと選ばれた者だけのもののように思われるかもしれないが、
私は沢山の人と心理療法の場でお会いしてきて、
人間というものは、すべて、その人の人生を創造している、
生きているということ自体が創造活動である、と思うようになった。
つまり、すべての人間は芸術家として、世界に唯一の作品、
つまり、自分の人生を創りあげてゆくのである。」

  〜〜〜

  さきに、「自分らしさ」を発揮できていた、と書きました。
  茂木氏や河合氏の論に添って言うならば、そのことは、私にとって
  創造的な活動であり、だからこそ少しは成長できた、と思えているのです。
  
  しかし、「創造性」と言うと、
  「何か人が思いつかないような斬新な発想をぱっとすること」
  といったイメージがあり、それを部下に求めたくなります。

  ですが・・・・
  「創造性とは人生を創り上げてゆくこと」という、
  ゆったりとした視点を持つ事によって生まれてくる
  「人としての幅」「ふところの深さ」が
  部下への「心理的な安全基地」を生み出し、
  その結果、あなた様のもとで「縁」あって働く人たちの
  自発性を促し、創造性が引き出されていく・・と、
  そんなことが実際、あると思うのです。
 
  なぜそう考えるのか?

  「それは、もう、私が部下としてその実体験者だからです。」  

  〜〜〜

  しかし、こういった声が聞こえてきます。
 
  「それはたまたまの話だ。今は時代が違う、環境が違う
   もっと、具体的な、普遍的なノウハウ、手法が必要だ!
   それを教えてくれなけければ、くだらないメルマガだ!」

  と・・・

  ですが、そこには、リーダーとして、
  逆説の罠がぽっかりと口をあけて待っています。
  なぜならば・・・ 

 
「脳は自発的な活動をする時にこそ、最大の能力を発揮する」
                     
『脳と創造性』(茂木健一郎 PHP研究所)より
 

  だからです。

  〜〜〜

  仕事は100%確実ということの少ない「できるかな〜」が連続して
  行く世界です。自発的に動こうとしない部下をモチベートしていくのに
  成果主義も一つの手法としてあるのでしょうが、そのことにまったく
  刺激されない人がいるのも、事実です。
  創造性を発揮するために必要な「できるかな〜」という不安を打破していく
  「心理的な安全基地」が 果たして用意されているのか・・・

  そのことは、日々、問うていくに値するものだと思います。

  長くなりましたが、そんなことが言いたく、つらつらと書いてきました。  

  〜〜〜 
  
  本日も何かしら参考になることがありましたら、幸いです。
  どうぞ、「元氣、勇氣、やる氣」をたずさえ、
  一生に一度しかない、今日という日を大切に生きて下さい。
 
  くれぐれもお体、ご自愛下さい!
  そして、あなた様 がリーダーとして
  これからも益々ご活躍されますことを心よりお祈りしています。

  
               (^人^)
 

 

                               敬具

   平成十七年九月十二日

                           松山 淳より

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 ◆自問◆

 1)私は、自分でリスクを背負っているだろうか?

 2)私は、部下に求めてばかりいないだろうか?

 3)私は、何かから逃げてないだろうか?

※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
 答えは、でなくていいのです。それについて、考えるだけでいいんです。
 目を開けたら、一番下までスクロールして、その言葉を読んで下さい!

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 ◆102℃ WORD◆

 「潔さ」
 
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 ◆追伸◆

  前号より1週間ほどが過ぎましたが、1歳の我が子の冒険家ぶり、
  不確実性へのダイブはとどまるところを知りません。
  ですが、リビングから薄暗い廊下へ出ようとする時など、
  扉の直前で、パッと振り返り、親の存在を確認します。
  そこで、妻が「こら!ダメです!」などと笑顔まじりで叱ると、
  喜々として「リビング脱出作戦」を敢行します。
  そういった行動をみていると、確かに、
  「心理的な安全基地」を求めているのだな〜と実感します。
           
  〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございました!〜

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【ことば】 
『異質な意見を持つ他者と向き合うことは辛いことである。
 しかし、そのような他者の存在を許容し尊重することが
 巡り巡って自分の創造性を涵養するための大切な「外部性」を提供する』
                            
(茂木健一郎)
『脳と創造性』(PHP研究所)より



松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

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