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『リーダーへ贈る108通の手紙』

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【3通目】「個性と覚悟 」養老孟司の論から考える人材の個性!

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『リーダーへ贈る108通の手紙2』
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               04.04.20
               03通目
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  リーダー様へ
 
 拝啓 葉桜めでてそれも桜と喜ぶ卯月
 
  いかがお過ごしでしょうか?  
  
  東京は、すっかり葉桜になりました。
  春の陽射しに輝くその緑は、なんとも言えず素敵なものです。
  
  桜の花には、まさにその艶やかさ故についつい心を奪われます。
  ですが、葉桜もまた同じ桜で、花にはない心を落ち着かせる何かがあり
  その良さもまた格別と思う次第です。
  
  それぞれの良さがある。  

  人もまた同じでしょうか・・・・?
  
  〜〜〜

  私の家から歩いて30分ほどのところに、駒沢公園という大きな公園が
  あります。よく子供を連れて遊びに行きます。
  そこで、今なんといっても我が子(4歳)が夢中になっているのが自転
  車です。
  
  補助付きの自転車を30分、100円で乗れるスペースがあります。
  手製のおにぎりを食べた後は、そこに行くことが定番コースとなってい
  ます。1周、100メートルに満たない小さなコースです。

  土日ともなりますと、子供たちがひしめきあいます。
  補助付きですので、乗っているのは、だいだい3歳〜5歳くらいの幼稚
  園生だと思います。小学生ともなれば、公園を一周できるコースがある
  ので、そちらに行き大人も一緒に楽しんでいます。

  そこで我が子なのですが、なんといっても慎重すぎるくらい慎重なタイ
  プでてして、決してスピードを出そうとしません。
  幼稚園では身長、体重ともに大きいほうに入り、元気で、ワンパクでさ
  えもあるようですが、そのキャラクターに合わず、ノロノロ、ノロノロ
  と同じスピードでずーっと走っています。

  すると、その横を小さな女の子がものすごいスピードで、チリンチリン
  と鳴らしながら追抜いていきます。
  歌を歌いながら、ニコニコしながら男の子が抜き去り、次には大きな声
  を出し、まるで怒ったかのような子が、さらにスピードを上げて走り去
  ります。

  我が子は、それに対して競争心がわくことがないようで、いつまでも
  同じスピードで亀のようです。どうも速度をあげるのが恐いようです。
  ですので、時には後ろからぶつけられたりします。
  すると、困った顔をしてこちらを見ます。それで助けにいかないと、
  3歳の頃(昨年)は泣いていましたが、今年は平気になり、自分でその
  場を解決し、また、走りだします。

  〜〜〜

  さて、そこでつくづく思うのは、自転車にのっている幼い子供たちが
  本当に「個性」にあふれ、「人それぞれだな〜」ということです。
  いつも感慨深く、その微笑ましい光景に胸をうたれます。
 
  みなそれぞれ。バラバラになって走しる。それが故に、その光景
  はなんともイキイキとしてくる。そう思えてなりません。

  もし、皆が同じスピードで、同じ様(さま)で、同じ顔して走っていた
  らなんともつまらない光景、というより、薄き気味悪い感じさえしてき
  ます。

  すると、やはり

   ★「個性が大事」

  だな〜と月並な結論に落ち着くのですが、少し渦の中に飛び込んでみた
  いと思います。

  〜〜〜
   
  いまだに売れ続けている、養老孟司氏の『バカの壁』(新潮新書)。
  なんと、311万部を突破しているとのことで、ノンフィクション系の
  新書では新記録となっているそうです。

  そこで、氏が人の「個性」について言及しています。

  

   本来意識というのは共通性を徹底的に追求するものなのです。
   その共通性を徹底的に確保するために、言語の論理と文化、伝統
   がある。人間の脳の特に意識的な部分というのは、個人間の差異
   を無視して、同じようにしよう、同じようにしようとする性質を持っている。
  
      
  
  人は個性的ではなく、平均的になるようなっているんだということです。
  では、氏は「個性」とは何か?との問いに、それは「身体そのもの」で
  あると言います。そこで、サッカーの中田選手や野球のイチロー選手を
  引き合いにだします。
  身体が「個性」であれば、それは誰にでもあるものです。

  
   脳が徹底して共通性を追求していくものだとしたら、本来の「個性」
   というのはどこにあるのか。それは、初めから私にも皆さんにもあ
   るものなのです。 
 

  考え方は誰もかれも似たりよったりになってしまう。
  だが、身体は違う。それこそ個性である。だから、個性が無いなんて
  ことは無いわけだ。氏はそんなことが言いたいようです。
  
  しかし今、学校だって、会社だって、本当には「個性」を求めていない
  のではないか、との主張を養老氏は同著でしています。

  〜〜〜
  
  国際エコノミストとして著名な長谷川慶太郎氏の著書に
  『異端のすすめ』(PHP文庫)があります。
  タイトルからも想像がつきますように、日本の会社は金太郎アメ人間を
  製造しているという事が書いてあります。
  そして、こんな一文がありました。

 
  
   「個性の強い人物」は、はっきり言って経営者を含めた上役の意見
   にすぐさま同調できない人物である。(〜中略〜)
   といって「個性ある人物」は、より広い視野に立つ、より緻密な論
   理を持った意見には屈しても、単なる思いつき、あるいはそれに類
   する浅薄(せんぱく)な発想、不十分な論理しか持たない意見には
   容易に屈しない。
   上役あるいは経営者にとって「個性ある人物」は決して簡単に使い
   こなせる人物ではない。それだけまた使いにくい側面があるが一方
   一旦、納得すれば、こうした「個性ある人物」ほど信頼できる存在もない。   


 
  確かにその通りで、このことを考えますと「個性」を発揮する人間が増
  えてくると、実は、組織の和を乱すことにもなりかねないとも考えられ
  ます。「個性的」な人の言う意見は耳の痛いことも多い。
  しかし、同じ様な考え方しかできない人間ばかり集まった企業組織では、
  未来が危うことは容易に想像できます。

  どうも「個性」というものについては、よくよく考えねばならない。

  〜〜〜

  2月12日は、司馬遼太郎氏の命日です。その日を「菜の花忌」と命名
  して、これまでシンポジウムなどが開催されてきました。今年(2004年)
  は、東京にある日比谷公会堂にてそれが行われました。
  私も足を運びました。
  シンポジウムのパネリストは、
  
   ○ 河合隼雄氏(文化庁長官)
   ○ 井上ひさし氏(作家)
   ○ 松本健一氏(評論家)
   ○ 森まゆみ氏(作家)
  
  なんとも豪華な顔ぶれでした。
  テーマは「変革の時代のひとびと-幕末維新と21世紀」。
  
  変革期に求められる人材像などについて意見が深められていきました。
  もちろん「個性」についても話が及びます。いろいろとありましたが、
  一つ非常に印象に残っているやり取りがありました。

  作家の森まゆみさんが
  
  『子供の教育で「個性」を伸ばすために制度をしっかりしないと!』
  
  と発言したのに対して、河合氏が
 
  『制度で「個性」を伸ばせるなどという考え方は・・・・・・・』
 
  と、森氏をやんわりと諌(いさ)めたのです。
  森氏は、ちょっと気まずそうな顔をしていました。
  
  〜〜〜 
  
  さてさて、何が言いたいのか「混乱」してきました。(笑)
  いやいや、この「混乱」が結論のようでもあります。

  「個性を尊重する」といった時に、それを頭から否定する人は、少ない
  のではと思います。
  しかし実際、部下に本当に「個性的」な人間がいたらどうでしょうか?
  どんな会社でも矛盾点はあり、完璧ではないのですから、ずばずばと耳
  の痛いことを言われれば、それはそれで、リーダーとして腹立たしいこ
  とも多く、胃の痛い毎日が続くかもしれません。
 
  かといって、金太郎アメもまた頭の痛いことです。
  A君に聞いても、Bさんに聞いても「私も同じ意見です」では、どうも
  よくありません。

  そう考えますと、

  
「個性」を発揮してもらいたい←→「個性」的な人はこりごりだ 
 

  と、どうも矛盾しているわけです。
  「個性」を求めながら「個性」を否定しているということです。
  
  もし「個性」求めるのであれば、それを求める人間には、それ相応の
  「覚悟」がどうしてもいるようです。
  それは、やはり心痛をともなうこともあるということです。
  ですので、そこには「矛盾との闘い」があるわけです。
  「混乱」があるわけです。

  多くの人の上にたつリーダーは、この矛盾の中でいつも闘っています。
  
  この闘いから逃げてしまった時に、混乱は余計に深まるケースが多い。
  管理職となり、ある程度社内に人事に関して影響力を発揮できるように
  なってくると、「俺はあいつが欲しい、こいつが欲しい」とお気に入り
  の人間で自分の部なり課を固めるリーダーがいます。
  
  これは、そのリーダーの個性にあった人間が集まってくるわけですが、
  考え方が似通っている人間集団になる可能性が高いわけです。  
  その環境は、リーダー本人にとっては、なんとも居心地のよいものです。
  しかし、その後はどうなるでしょうか?
  私の知るケースでは、あまり良い結果になったのを聞いたことがありま
  せん。
  
  これは、「矛盾との闘い」から逃げたリーダーです。
  ですから、リーダーはこの矛盾を抱え込むことが必要ですが、それは
  人の上に立てば誰もが経験するジレンマでもあるわけです。
  
  ですから、

   ★「矛盾を抱え込んで闘う心」

  これがなければ、どうも「個性」を発揮する場は確保できないのではと
  思うのです。

  〜〜〜

  ノロノロと走るわが子を見た時に、何度も走りよって、皆と同じように
  とまではいきませんが「もっと男らしく速く走れないものか」と言いた
  くなったのは正直なところです。
  ところが、これは「個性尊重」の逆をやろうとしていたわけです。
  皆と同じが良いと言っているわけです。
  つまり、これが養老氏の指摘する「脳の共通性の追究」です。

  私の性格もあるのでしょうが、しかし、本当に「個性」が大事だという
  ならば、それを「ぐっと」こらえて、
  「ゆっくり走るのもまた我が子らしさ」それも「個性」であると、
  「心中にて親が闘わなくてはいけない」わけです。
  
  そこに小さな苦労もあります。が、その苦労をせず「皆と同じにやれ」
  と言えば、そちらの方がむしろ楽であり、すると「個性」はどこかへ飛
  んでいってしまうのです。

  ノロノロ走り、たびたび、衝突するわけですから、他の親に言われるか
  もしれません。

  「ちょっと!あの子の親はあなたですか、もっと、みんなと歩調を
   合わせて、速く走るように注意して下さい!!!」

  私は矛盾を抱えこんで「闘う」と書きました。こんなことが実際にあり
  ますと、もう本当の闘いになってしまうわけです。(笑)
  この親御さんも言っていることは正しいです。
  確かに危険かもしれません。
  そこで、どう対応するか・・・?
  
  ・私は「分かりました」と言い、我が子のもとに走り注意をするか?
  ・それとも、個性尊重のことを理解して頂くために説得を試みるか?
  ・腹を立てて、その場から子と一緒にすぐに帰ってしまうか?  
     
  “あなた様”であれば、どうされますでしょうか?

  答は上記に限らずいろいろだと思います。
  が、少なくとも、私が何らかの形で子の個性を守るためには、一苦労し
  なければいけないことは明白です。
  そこから、逃げた時に「個性」は消え去ってしまうからです。

  すると、感じることがあります。
  部下のケースでも、子の時でも、こういった矛盾を抱え込めるか否かで
  実は、自分自身が「個性」をどれほど大切にしているのか、大事にして
  きたのかを試されているのだと。
  
  そして「個性」を本気で大切にするならば、やはりそれなりに試練があ
  あるわけで、それに対して「覚悟」を決めていくということは、それは
  それで人を何らかのかたちで成長させていくわけですから、やはり

   ★「個性は大事」

  だと思うのです。

  「個性」とは随分と難しいもののようです。が、そんな「覚悟」を持ち
  はじめると、不思議と「個性」を発揮する場が確保され、何らかの制度
  もまた、そこで有効に機能するのではと思います。

  なぜならば・・・

  「個性が大事」だと言っていながら、実はその「覚悟」がないとしたら
  「個性の強い」部下であれば、それはあっという間に見抜かれてしまう
  からです。

   ★「個性尊重」には、それ相応の覚悟がいる!

  何やら耳の痛い話になり失礼しました。   
  ですが、何か御参考になることがありましたら幸いです。
      
  〜〜〜

  道に蝶が飛ぶのも珍しくなくなりました。
  お体を大切にされますこと、そして、“あなた様”がリーダーとして
  これからますます活躍をされますことをお祈りしています。(^人^)
 
   本日は、これにて失礼します。

                               敬具

   平成十六年四月十九日

                           松山 淳より

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 ◆自問◆

 1)私は、他人の個性を尊重しているだろうか?

 2)私は、自分の個性を尊重しているだろうか?

 3)私は、自分を大切にしているだろうか?

※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
 答えは、でなくていいのです。それについて、考えるだけでいいんです。
 目を開けたら、一番下までスクロールして、その言葉を読んで下さい!

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 ◆102℃ WORD◆

 「未来の自分のために今、何をしているだろうか」

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 ◆追伸◆

  先週、海での鳶の話がありましたが、その後、ある鎌倉在住の人に
  会って、そのことを話したら、今、アライグマがそこかしこで増えて
  困っているとのことでした。
  アライグマが本来、日本にいる動物でないことは御存知の通りです。
  
 
  〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございました〜

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【ことば】
「人間は、その人がどういう目にあったかではなく、
 事が起きた際にどう対処したかで価値が決まるのだと思います」          
(松本幸四郎)



松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

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