ビジネスリーダーへ元気・勇気・やる気を贈るメールマガジン

『リーダーへ贈る108通の手紙』

HOME > メルマガ > 2003バックナンバー >【77通目】

【77通目】小津安二郎『無藝荘』にて。

**************************************************

『リーダーへ贈る108通の手紙』
 http://www.earthship-c.com

              03.11.04
              77通目
*************************************************

 リーダー様へ  

 拝啓 霜月の はじめに誓う 清らかさ  
 
  如何お過ごしでしょうか?

  いよいよ今年も後2ヶ月です。
  どうぞ“あなた様”が、リーダーとしてのあらん限りの情熱を燃やし
  「元気・勇気・やる気」を漲(みなぎ)らせ、素晴らしき2003年
  となりますことをお祈りします。

  〜〜〜
      
  わたくしは、連休を利用して長野県は蓼科に行ってきました。
  宿に到着したのが、夜でした。その時は全く気がつきませんでした。
  朝、目が覚め、外に目をやると、窓から真っ赤な木々の連なりがみえ
  ました。
  四歳になる我が子は、見事なまでの紅葉を目にし、「血みたいだ!」
  と騒いでいました。
  感じたままの無邪気さは良いのですが、少し趣を欠いているようです。
  ですが、それほどまでに赤く燃えるもので、そう言いたくなる気持ち
  もよくわかります。
  妻と二人で、ただ苦笑するのみでした。

  さて、蓼科と言いますと、世界的に有名な映画監督小津安二郎の別荘
  があったところです。いくつもの作品のシナリオが、脚本家野田高梧
  とともに、その地で生み出されました。
  『東京物語』『秋日和』『秋刀魚の味』など、小津監督作品のそのタ
  イトルは、お聞きになった事があるのではと思います。
  
  世界的に有名とは、名ばかりでなく、その評価も世界レベルです。
  英国映画協会が2002年に行った映画史上のベストテン決める
  『TOP10』では、その時、第5位に入っています。これは、10
  年おきのもので、前回1992年は第3位でした。

  【英国映画協会ホームページ】
  http://www.bfi.org.uk/sightandsound/topten/

  日本文化の底力を感じます。

  そして、今年は、小津監督生誕100年の年です。それを記念して、
  蓼科のある茅野市では国際映画祭も開かれました。
  ちょうどわたくしが滞在している時が開催期間でした。

  別荘の一つである『雲呼荘』は、既に取り壊されてしまったのですが
  仕事場として、また、接待などに使ったもう一つのものは残っていま
  した。生誕100年記念事業の一環として、人目のつきやすい通り沿
  いにそれが移築されました。

  秘かなる小津ファンとしては行かないわけにはいきません。

  そこでの出来事です。

  〜〜〜

  新築された別荘は立派なものですが、見学するとなると、一つの家を
  見るだけですので、滞在時間は30分くらいです。
  一通り見終わって、記念のパンフレットなどが置いてそうなので、そ
  ちらに回りました。
  年配の方が二人、対応していました。
  
  記念の絵葉書を頂きました。
  そして、公式パンフレットと便せんが500円ですと説明されました。
  「パンフレットの中を見てもいいですか?」と尋ねると「どうぞ」と
  のことでした。
  一見して、これは欲しいと思い、買うことにしました。
  1000円札を出しました。500円のおつりです。
  すると、「えーとおつり、おつり」とまごついています。
  手元につり銭が無かったらしく、遠くの人に声をかけます。
  「500円おつりないかね〜」。待たされます・・・・・
  
  それならと、珍しく頭が回転しまして、「便せんも一緒にもらいます
  よ、それなら丁度です」と、わたくし。
  
  「あ〜ありがとね、助かったよ、なんてったて売るの慣れてないもん
  で。すまんね。」と 、横から別のおじさんが出てきて言います。

  はにかんで、顔を赤らめ、本当に気まずそうに頭を下げています。
  もう50歳はゆうに越えている方です。目尻のしわがいくつにも分か
  れていました。
  
  そこで、黙っているのも申し訳なくなり

  「いやいや、わたしも買い慣れてませんから・・・」

  大きな笑いに場が包まれました。

  〜〜〜

  「とても良い時間が過ごせたな。」
  西の空がみかん色に染まり、帰り道思います。
  
   ★「真心」

  だなと。飾らない、謀(はかりごと)でない。真心だなと。

  対応したおじさんが、どうして「売るの慣れてないから」と言ったの
  かはわかりません。普段は畑にでている人が、ボランティアで実行委
  員のメンバーになっていたのかもしれません。役所の人だったかもし
  れません。

  ただ感じることは、百貨店、スーパー、コンビニなどの慣れた対応と
  は程遠い、その手際の悪さの中に顧客満足(CS)を感じさせてしま
  うもの、それは、もう「真心」なんだなと。

  嘘偽りの無い「つり銭がすぐ出なくて、手際が悪くて申し訳ないね」
  と思う心。その濁らない気持というものは、伝わるのだな。
  そう思うのです。

  有名店に、「こんちは」「いらっしゃいませ」が元気よく響いている
  お店があります。お客様が入店すると店員が声を発する、すると、そ
  の声を聞いて別の店員が呼応して「いらっしゃいませ」と声があげる。
  それを聞いたまた別の店員が、また、別の店員が・・・と、いつも声
  が鳴り響いている。

  売場に元気があると。来店者はその場から一つの高揚感を得ます。
  気分が無意識に盛り上がるのです。本人はその時気づきません。
  ですが、それは、購買欲を高めます。そして、それは、売上に結びつ
  いていくのです。
  これは、簡単に言うとパチンコ屋の軍艦マーチ効果と一緒です。

  それが人間心理です。実際にそれで効果があるから、そうやっている
  わけです。意図してなのか、そうでないのかは、わかりません。

  それは、一つの商売のやり方です。
  では、そういったマニュアル通りに動いている人達に「真心」がない
  のかと言ったら、そんな事も決してないです。
  そういったお店から、非常に丁寧な素晴らしい対応を受けます。
 
  ただ、その挨拶だけが・・・作業しながら、そっぽ向いていながらし
  ますので、少し不自然に感じます。
  なぜならば、傍から見ていると、お客様に対して、心からの感謝を欠
  いているように見えるからです。

  そっぽを向いた挨拶が、真心がこもっています。
  顧客第一主義です。
  とは、さすがに言い難いかと思います。

  では、蓼科のおじさんを売場に立たせたればいいのか?と言った話で
  ないことは、お分かり頂けると思います。

  お客様から満足を得る一つの形として「真心」というものがあり、
  それは、心の底から本当にそう思っているのならば技術的なものを
  超越して伝わるのだという事です。

  そういった事も一つ忘れて欲しくないということです。
  それだけで、売上が伸びるとは、言いません。
  しかし、そういった忘れてはならないものがあるのだという話です。

  そして、それは、本当にたまたまですが、小津監督が作品を通して
  伝えようとしていたものの一つだと、わたくしは感じています。

  買ったパンフレットの中に、映画評論家の佐藤忠男氏がこんな逸話を
  寄せています。

 
 
  インドのアッサム語映画のジヤヌ・バルー監督に先年会ったとき、
  故郷の田舎で小津安二郎の「東京物語」の上映会をやった話を聞か
  せてくれた。風俗習慣が違うのに、アッサムの田舎の人たちがその
  登場人物たちをぜんぜん違和感なく受け入れて、自分のことのよう
  に語りあった、というのである。
    
(「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」実行委員会 編パンフレット)
 
  
  人間としての本質的なメッセージは、国を越えます。
  
  
  残った別荘の名。それは、

  『無藝荘』

  という名でした。
  
  真っ黒に日焼けし、顔を赤からめて、わたくしごときに頭を下げてく
  ださった大先輩。まさに  

  「藝を謀ること無し」

  だからこそ、心を打たれる。
  そんな商売の姿がそこにはありました。
  
  忘れていたものを思いだしました。
  本当にありがとうございました。
 
  そんな小旅行でした。
 
    

                               敬具

   平成十五年十一月三日

                           松山 淳より

============================

 ◆自問◆

 1)私は、策に溺(おぼれ)てないだろうか?

 2)私は、何を大切にしているだろうか?

 3)私は、何かを見失っていないだろうか?

※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
 答えは、でなくていいのです。それについて、考えるだけでいいんです。
 目を開けたら、一番下までスクロールして、その言葉を読んで下さい!

========================

 ◆102℃ WORD◆ 

「一つの覚悟が人生を変える」

=======================

 ◆追伸◆
 
   本日、冒頭「血みたいだ」との紅葉ですが、それだけですと
   何やら後味が悪く、週の始まりに相応しくございません。
   写真をとってきました。画質を落としてますので、口直しになります
   かわかりませんが、少しだけどうぞ。
     ↓  ↓  ↓  ↓
   http://www.earthship-c.com/kouyou.html
   
        
   〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます〜

************************************************

■発 行 者:アースシップ・コンサルティング  松山 淳(35)
■U R L: http://www.earthship-c.com
■叱咤激励: j@earthship-c.com
■疲れた方:『そこにある優しさ』
       http://www010.upp.so-net.ne.jp/SOKOYASA/
■発  行:まぐまぐ(http://www.mag2.com/) 
      melma! (http://www.melma.com/)
      Maky! (http://macky.nifty.com/)
      Pubzine(http://www.pubzine.com/)
      
■部  数:3835部(03.11.3時点)

 ※本メルマガの著作権は松山にあります。文面について、社内資料、アル
 バイトへの配付資料などに対して許可なく使用した場合、私は喜びます!
 ですので、どんどん使って下さい!みんなで明るくがんばりましょう!

*************************************************

【ことば】 
「結局最後に人を動かすものは誠実さであることを指導者は知らなければならないと思う」   
 
(松下幸之助『指導者の条件』(PHP文庫)より) 
         
                  
わたくしは、コンサルタントなどという仕事柄「策」におぼれがちです。
本日の文面、自分への戒めです。
ですが、“あなた様”のためになればとは、心から思っております。

今日も一日是非ともがんばって下さい!!


松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

MBTIのリーダーシップ研修

リーダー層のマインドセットをチェンジする。世界50ヵ国以上の企業が導入するMBTI自己分析メソッドを活用したリーダー研修。資料(PDF)をメールいたします!

サーンバントリーダーシップ研修

「強さ」「有能さ」を全面に押し出すのはなく、「支える」ことでフォロワーたちを導くリーダーシップ・スタイルがあります!女性管理職、次世代リーダーに向いたリーダーシップとして好評!

アースシップ・コンサルティング・ロゴ

アースシップ・コンサルティング
〒152-0034 東京都目黒区緑が丘1-6-4 TEL&FAX(03)3725-4277

e-mail:j@earthship-c.com