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『リーダーへ贈る108通の手紙』

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【71通目】緒方洪庵に学ぶ「教育」の大切さ!

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『リーダーへ贈る108通の手紙』
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              03.10.24
              71通目
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 リーダー様へ  

  拝啓 神無月 渡り鳥の声 南へと  
 
  如何お過ごしでしょうか?
    
  さて、今日と来週月曜日(10/27)では、本を2册ほどご紹介し、そこから
  論の展開を試みたいと思います。
  ちなみに、その2册は10分で読めてしまうようなものです。

   ◆一つは、小学生国語教科書のために書かれたもの。
   ◆もう一つは、小学生が書いたものです。
 
  本日は、前者の教科書のものから始めたいと思います。
  そこから一部引用させて頂きます。

 

    洪庵は、自分の恩師たちから引きついだたいまつの火を、
   よりいっそう大きくした人であった。  
    かれの偉大さは、自分の火を、弟子たちの一人一人に移し
   続けたことである。  
    弟子たちのたいまつの火は、後にそれぞれの分野であかあ
   かとかがやいた。やがてはその火の群れが、日本の近代を照
   らす大きな明かりになったのである。後世のわたしたちは、
   洪庵に感謝しなければならない。

 
  
  もしかすると、この文を教科書で読んだ人がいるかもしれません。
  これは、1989年に5年生と6年生の国語教科書におさめられました。
  すると、それを読んだ方々が、かりに6年生として12歳とすると、
  それから約14年の歳月が流れていますので、現在、26歳です。
  ですので、十分に可能性があります。

  さて、前置が長くなりまして、すいません。
  では、肝心のこの作者が誰かと言いますと、なんと!
  
    ◆司馬遼太郎氏
  
  なのです。
  現在、『二十一世紀に生きる君たちへ』(世界文化社)という本が
  出版されていまして、その中で読むことができます。
  
  司馬遼太郎氏が生涯を通して、子供に向けて書いた文というのは、
  2作品しかございません。
  それが、この国語教科書のために書かれたもので、2作品ともこの本に
  おさめられています。
  一つは本のタイトルにもなっています『二十一世紀に生きる君たちへ』
  もう一つが本日一部引用いたしました『洪庵のたいまつ』です。

  洪庵とは、尾形洪庵(1810〜1863)のことです。 
  医師であり、洋学研究の第一人者でした。
  大阪は現在の中央区北浜に「適塾」を開きます。その時、29才です。
  その塾からは、幕末から明治にかけて活躍する人物が多数輩出されました。
  有名な人は、大村益次郎、橋本左内、そして、慶応義塾大学の創始者、福沢諭吉です。
  
  彼らはそこで学んだ知識、そして精神をもって「事」にあたっていった
  わけです。そして、近代という時代を形づくっていった。 

  〜〜〜

  私たちは、事を前にして、果たして一人の人間で一体何ができるのだろ
  うと立ち止まることがあります。
  

  会社という組織の中で、自分一人だけがんばった所で何も変わらないのでは?

  と横を向き、変わらぬ自分を受け入れてしまいがちです。
  回りを見て、足並みを揃え、出る杭にならぬよう気をつける。

  しかし、一方では、このままではいけない、会社も自分も、もっと変わ
  っていかなければいけない、と思い、悩む。
  その時に、悩んでいる自分に問いかけてみる。
  
   「自分はどうして悩んでいるのだろう?」

  と。すると、そこに、選択の余地があるから悩んでいる自分に気づく。
  “変わることができる”という可能性があるからこそ悩んでいるという
  事実に突き当たる。
  しかし、自分が変わったって何も・・・・と堂々めぐりが始まる。

  と、その時に、一つ深呼吸をして、思いだして頂きたい。

  リーダーである“あなた様”は、部下が一人でもいれば、誰かを「教育」
  する立場にあるという事実を。
  その構図をシンプルに考えれば、「適塾」における洪庵とその弟子との
  関係と同じだという事を。

  教えるという事が、それは、その時限りのことではなく、その人の未来
  にわたって、その人の「心」「精神」「記憶」に残っていくものだとい
  うことを。
  
  それは、“あなた様”の「考え方」「哲学」「思想」というものが、
  次の世代に引き継がれるのだという事を。

  そして、その継承されたものが確かなものであれば、その教えを受けた
  ものが、また、その次の世代に伝えていく。

  次へ、次へ、次へ・・・
 
  それは、繰り返され、もしかすると、いや、もしかするとではなく、
  百年先、二百年先まで続くものだということを。

  その事を腹の底からずしりと理解した時、「教える」という行為の
  そのもの意味が変わってくる。見方が変わってくる。
  そして、一人でできること、その可能性の大きさに気がつく。

 

    もし「未来」という町角で、私が君たちを呼びとめること
   ができたら、どんなにいいだろう。
   「田中君、ちょっとうかがいますが、あなたが今歩いている
   二十一世紀とは、どんな世の中でしょう。」
    そのように質問して、君たちに教えてもらいたいのだが、
   ただ残念にも、その「未来」という町角には、私はもういない。
 
 
  
  『二十一世紀に生きる君たちへ』では、司馬氏はこう書いています。
  残念ながら、これが予言の書となるかのごとく、21世紀を前にして
  氏は星となりました。が、今もって、その思想は残り、多くの人々へ
  影響を与え、その言葉によって、励まされ、元気づけられる人々が
  多数いる。多数いるか、いないかではなく。
  
   ★「教え」は時代を越える
 
  そんな事を申し上げたいわけです。
  厳しくするのがいいのか?褒めるのがいいのか?
  気づかせるのがいいのか?指導した方がいいのか?
  叱ると怒るは、どう違うのか?
  そういった話はここでは抜きにして、

   ★「教える」

  ということは、普段、私たちが思っている以上に、本当は、もっともっ
  と意義深いものなのではないでしょうか?

  わたしくは、そう思うのです。

  すると、そこに一つの「やりがい」が生まれてきませんでしょうか?
  “あなた様”の「教え」によって、次の世代が変わるかもしれない。
  一人でできることの意義を、見出せませんでしょうか?
  
  親の言ってたこと、小学、中学の恩師が言ってたこと。
  その「ありがたさ」というのは、その時にはわからなく、後になって、
  じわりと、しんみりとわかってきます。
「教え」が実を結ぶのには時間がかかる時もあります。
  
  だから、顔を背けられても、向かい合い、それでも、向き合わんとし、
  教え続ける辛抱強さもまた必要だと思うのです。

  8月に小説家童門冬二氏の講演を聞きてきました。テーマは「五輪の書」
  だったのですが、その中で、言い続ける、教え続けること、その継続性
  の大切さを訴える場面がありました。
  だから、自分は書き続けているのだと。

  「そうは言ってもわからないと思うよ!だからといってやめちゃな〜
   誰かが、大切なことを言い続けないと、ホント駄目なっちゃうよ!」
    
  そんな言葉を講演中にもらしていました。
  童門氏は生っ粋の江戸っ子で、その言葉の時に妙にくだけた感じになっ
  たのですが、「ホント駄目になっちゃうよ!」のところで、顔がものす
  ごい真剣になりました。印象に残っています。

  それが、わたしにとっての「たいまつの火」だと思っています。
  氏は、その講演で「たいまつ」を燃やし、その火を出席者に移していっ
  た。しかし、火なんて簡単に消すことができます。実際には、消えてし
  まうことの方が多いのかもしれません。
  ですが、残るものもある。その残ったものが、また、一人、また、一人
  へと伝えていけば、その「たいまつ」は司馬氏の言うように、後になっ
  てあかあかと輝くのかもしれません。

  ですので、どうぞ「最近の若い奴は・・・」と言わず、
  リーダーである“あなた様”が「たいまつ」を持ち、そこに火をつけ、
  その火を部下に移していって下さい。
  目の前で消す人もいるかもしれません。
  そしたら、また、つけてあげて下さい。

  その時には、わからないのでしょう。だから、摩擦があるかもしれませ
  ん。それが、ストレスで嫌になってしまうかもしれません。
  
  ですが、それでも、真摯になって、真剣になって、向き合っていった時、
  “あなた様”の部下は、きっと感謝の念のもと、こんな風に他人に話す
  ことでしょう!

  「あ〜あの時は、耳が痛かったけど、ほんとあの人は、俺(わたし)
   のことを思ってくれてたな〜。ほんと感謝しなければならない!」

  残念ながら、その言葉を、すぐに、直接聞くことはできないかもしれま
  せん。が、同僚にはもらしているかもしれません。

  そんな素敵な陰口を言われるのは、一つの目指すべきリーダーの姿かも
  しれません。
  
  なんとも大変な事ばかりですが、だからこそリーダーであります。
 
  そして“あなた様”の「教え」を伝えられるのもリーダーならではです。
  そこに一つの大きな意義を見い出し、自身を鼓舞し、決して負けないで
  下さい。
  たいまつの火をともし、移す事を忘れないで下さい。
  歩みを止めないで下さい。走りぬけて下さい。

  今は、司馬遼太郎氏が生きることができなかった21世紀です。
  昭和という時代を形作った人達は、21世紀には、きっとよくなると信
  じて生きた、そんな21世紀であります。そのことを忘れてはいけない
  と思います。
 
  その方々から、決済の判子をもらうことができるかどうかは、なかなか
  難しいかもしれません。
  「めざしの土光さん」は、恐らく机をたたき、ものすごい形相と怒鳴り
  声で叱られそうです。
  ですが、前を向き、未来をみつめ、どうぞがんばって下さい。
  情熱の炎をえんえんと燃やし続けて下さい。
  わたくしも微力ながらがんばっていきたいと思います。

  同時代を生きる人間として“あなた様”にこうしてお手紙をおくれるこ
  とに感謝します。

  本日は、少し風呂敷を広げすぎたかもしれません。また、荒のある発言
  が多かった気がしますが、どうぞ若輩者の弁ということでお許し下さい。
  
  少しでも何かを考えるきっかけとなりましたら、小生、嬉しい限りです。

   “あなた様”の益々の御活躍心よりお祈りしています。

    風邪など召されません様、お体大切になさって下さい。
 
    本日は、これにて失礼します。

 

                               敬具

   平成十五年十月二十三日

                           松山 淳より

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 ◆自問◆

 1)私は、「教える」ことを止めてしまってないだろうか?

 2)私は、うまく逃げていないだろうか?

 3)私は、次の世代のことを考えているだろうか?

※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
 答えは、でなくていいのです。それについて、考えるだけでいいんです。
 目を開けたら、一番下までスクロールして、その言葉を読んで下さい!

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 ◆102℃ WORD◆

 「誇りを」

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 ◆追伸◆
 
  『二十一世紀に生きる君たちへ』(世界文化社)は、本当に10分も
  あれば読めてしまいます。もし、本屋にいくことがあれば、立ち読み
  してみて下さい。そんなこと言いますと、出版社と本屋さんに叱られ
  てしまいますが、宜しければ・・・
  さて、冒頭申しました通り、来週月曜日(10/27)も本の紹介ですので、
  どうぞ宜しく御願いします。
  わたくし、週末は、大江健三郎氏の講演を聞いてきます。
  どこかで、そんな話も紹介できればと思います。

       〜それでは、素敵な週末をお過ごし下さい!〜 
  
           
   〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます〜

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【ことば】 
「わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより世の中を少しなりともよくして往こうではないか」
                         
(天文学者 ハーシェル) 
『後世への最大遺物』(内村鑑三 岩波文庫)より
  
  
「入社した時より、少しでも、よくしようじゃないか」ですね!
今日も一日是非ともがんばって下さい!!

 


松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

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