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『リーダーへ贈る108通の手紙』

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【29通目】「ナイジェリアの焚き火」の逸話から学ぶ語り合い!

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『リーダーへ贈る108通の手紙』
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              03.08.22
              29通目
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 リーダー様へ

  拝啓 暑き葉月のなつかしさ
 
  如何お過ごしでしょうか?  

  わたくし、この頃、昔読んだ本が妙に気になります。ビジネス書だけ
  に限らずなのですが、本棚をながめ目につく本というのは、何か時代
  を越えて語りついでいくべき“言葉”がそこにあると感じます。

  先人の教えというものでしょうか?

  さて、そんな先人の一人、前「資生堂」福原義春社長。著書の多い人
  で有名です。1987年から1997年まで代表取締役として活躍さ
  れ、確かな軌跡を残されています。

   ★サクセスフルエイジング(美しくこころ豊かに年を重ねる)

  この言葉は、福原義春氏が社長に就任した1987年に世に提案され
  たものです。わたくしは、この資生堂が発信している言葉が大好きです。
  なぜならば、そこに、人を中心にした発想がみてとれるからです。

  氏の著書『部下がついてくる人』(日本経済新聞社)では、そんな人
  間への深い洞察を感じるエピソードからはじまっています。

  その要点は、

   ★部下に自分の弱さをみせることは恥ではない!
    むしろ、その人間味が組織の信頼をつくる!

  というものです。

  リーダーシップの本をくりますと、やはり、人間としての“強さ”で
  すとか、“勇猛”さのような点が強調されがちです。それは、間違い
  ではないと思います。福原氏もその点は、指摘しています。

  ですが、この観点から本を始める。時に、自分は弱い人間であると公
  言してしまうところに氏の人間の大きさ、強さを感じます。

  エピソードとしては、資生堂アメリカの社長を急遽命じられていった
  時、そこは、倒産寸前まで追い込まれていたという話しです。わたく
  しは、「あの資生堂が?」と信じ難いのですが、みんなの努力により
  なんとか、つぶれる事は回避できたそうです。

  この時の経験があって、福原氏は

   ★リーダーだって人間なのだから・・・

  という境地に至ったそうです。

  現在、「資生堂」の企業理念は以下のようになっています。
  
   【企業姿勢 事業領域】
   
     私たちは、多くの人々との出会いを通じて、
     新しく深みのある価値を発見し、
     美しい生活文化を創造します    
     
   【行動規範】
 
     1.お客さまの喜びをめざそう
     2.形式にとらわれず結果を求めよう
     3.本音で語りあおう
     4.広く深く考え、大胆に挑戦しよう
     5.感謝の心で行動しよう

  企業理念といいますと、とかく美辞麗句が語られがちで、組織に埋没
  してしまうと、「あんなのお題目だけだよ」と、それらを軽視する風
  潮があります。
  ですが、この行動規範は、「〜しよう」という口語体で表現されてい
  ます。この当たりに、他にない個性「資生堂らしさ」をわたくしは、
  強く感じます。
  そして、「人を中心に考えているな」と感銘を受けます。
  とくに「3.本音で語りあおう」というのは、ちょっと他では、みかけません。
  
  細部を見て全体を語ることに異論があるかと思いますが、“ブランド”
  を作り上げるという観点にたてば、細部は全てに通じます。

  わたくし、傲慢な態度がみられる店員などがいた小売、飲食店などに
  は、二度と足を運びません。
  トイレが汚ければ、女性客はそれだけで行きたくない動機となります。
  レジ周りが雑然としていれば、なんだかだらしないお店なのかと感じます。

  これは、人それぞれですが、人それぞれの中で、真実です。
  なぜならば、“ブランド”は、あくまで“人の心の中”でつくられる
  ものだからです。
  「神は細部に宿る」という似通った話は、20通目(8/4)のお手紙で
  多少、述べております。もし、お時間があれば・・・

   【バックナンバー】
    http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000112707

  さて、前福原社長の著書でもふれられていますが、もう一つ印象深い
  話しがあります。ハーマンミラー社のマックス・ディブリーが書いた
  本にある話しです。

 ★「ナイジェリアの焚き火」

  ナイジェリアのある村では、電気が引かれ、電灯がつくことを待ち
  こがれていました。それまでは、夜になると、村の人達は、焚き火
  の回りに集まって、古老の物語りや部族に伝わる伝説を夜がふける
  まで聞いていたそうです。
  ところが、いざ、電気が引かれ、家に電気がつくと、そこに閉じこ
  もって夜がふけるのを過ごすようになり、すっかりと伝説は失われ
  てしまったということです。
  
  サラリーマンの“赤ちょうちん会議”は、とかく批判されがちです。
  こんな時代だから、早く、家に帰って資格収得の勉強でもした方がよ
  い!と。自己投資の時間だ!と。それは、一理あります。

  しかし、わたくしは、“赤ちょうちん会議”賛成派です。

  なぜならば、そういった席でしか伝わらないものが厳然で存在するからです。
  それは、オンタイムでは言えない、上司の「新人時代の話し」「失敗
  談」「武勇伝」「上司の上司のそのまた上司から聞いた話」などなど
  「ナイジェリアの焚き火」の話しで言うところの「部族の伝説」にあ
  たるものです。

  少し難しい言葉を使えば、そこには、
  組織の構成員各個人が所有する知識

  ★暗黙知
  
  が多分に含まれています。
  それが、伝わる瞬間が“赤ちょうちん会議”にはある。だから、わた
  くしは賛成するのです。

  ただ、お酒の弱い人は、割り勘負けしますし、酔っぱらった人の面倒
  を見るのが大変だったりします。そこには、同情いたします。

  けれども、吉本興業の中邨名誉会長が、かつて新聞紙上で
  「酒が飲めないのに、酒の席に顔を出す奴は、できる奴が多い」と喝
  破しておりました。もちろん、芸能界という特殊事情もありますが、
  今や、東大卒が狙う企業でもあります。
  これは、「酒の席にしかない重要なものがある」と言っているようで
  す。それこそ、暗黙知です。
 
  さらに言えば、そういったお酒の席は、上司の“弱さ”を垣間見る
  瞬間でもあります。それは、社内では見られない、上につくものの
  人間らしさを発見する時なのかもしれません。

  愚痴ばかり。弱音ばかり。人の悪口ばかり。価値観のおしつけばかり。
  昔の自慢話ばかり。同じ話の繰り返し。

  これでは、下につくものは疲れてしまいますが、常に厳しさを求める
  人が、ふと弱さをみせた時、または、頼りなさそうな人が、実は、趣
  味の世界ではプロ顔負けだった、などという違う一面をみせられた時
  人間として距離がぐっと近づきます。
  なぜならば、そこには、知らないことを教えてくれたという、情報開
  示とともに、“共に知る”という情報の共有があるからです。
  人間は、その時一つの快感を覚えるからです。そして、そこに結びつ
  きを感じるからでです。 

  つまりは、本音で語るというのは、そういったオフタイムの場も含め
  て成立するもの、だから“赤ちょうちん会議”もたまには、いいので
  はと思うのです。

  しかしながら、そうでないと思われるかもしれません。
  ただ、大変恐縮ながら、生意気を申し上げますが、そういった面も否
  めないかなという多面的な見方は、必要かと思います。
  
  わたくしが、ラグビー部で主将を務め、卒業し、社会に出て1年目の
  時、後輩が夜中に電話をかけてきました。
  戦績が、悪くかなり悩んでいる様子でした。
  そして言いました。

  「松山さんは、酒飲んで、みんなで本音で話し合え、と言うけど
   酒飲んだって、何も変わりませんよ!」と。

  その通りだと思います。酒を飲んだって何も変わらない。そうかもし
  れません。けれども酒を飲んで、みんなで話しあっても何も変わらな
  いと思っている、その視野の狭さ、他人の価値観を認めようとしない、
  可能性を信じようとしない、その“心あり方”が、何か窮屈であり、
  問題なのではと思いました。

  それでは、

   ★求心力

  は生まれない。   
        
  なぜならば、集団における求心力とは、集団に所属する各個人の信念
  や価値観をまとめあげようとする、その姿勢や努力や苦闘、その中か
  ら発生するものであって、その根本となるものを否定していたら、
  まさに“元も子もない”と考えるからです。
  
  ナイジェリアの村では、長老をもとに組織が形成されていました。
  「焚き火の場」を単なる「お話し会」とみるか「暗黙知を共有する場」
  と見るか、人それぞれだと思います。
  ですが、「そこで何か掴むものがあるかもしれない」という前を向い
  た精神があってもいいと思います。
  

  冒頭の話しに戻りますが、“弱さをみせてもいい”とは、甘えること
  ではないと思います。
  それは、“人間味あふれる人であれ”ということだと思います。
  そこには、信頼が生まれ、求心力もでてくる。
  
  つまりは、リーダーとしての一つの条件でもあるということです。

 
 〜人間味を感じ合う場〜 
   
 〜赤ちょうちん会議〜

  福原氏はそんなことを言いたいのだと思います。
  

   視野を広く、多面的な見方で・・・

  

  如何でしょうか?       
    
  毎度の拙い文面ではございますが、
  もし、何か気づくことがありましたら、小生、幸せでございます。
  
  どうぞ宜しく御願いします。  
  

  さて、1864年の今日、国際赤十字社が設立された日です。
  創立者は、ジャン・アンリ・デュナン(1828〜1910)。
  オーストリア軍とのソルフェリーノの戦い(1859)の時、たまたま北イ
  タリアを旅行していました。
  ところが、この戦い、たったの15時間で4万人にも登る死傷者を出
  す壮絶なものでした。小さな町に、まさに死を待つばかりの人々があ
  ふれかえったのです。
  その時、彼は、その場に飛び込んでいき、敵、味方分け隔てなく助け
  ていきました。彼のその懸命なる姿をみて、町の人も後に続いたとい
  います。この時、彼がいった言葉が、町の人々の合い言葉となり、
  数多くの人命が救われました。その言葉とは、

   「みんな同じ人間同士」

  デュナン31歳。この時の経験が、赤十字設立のきっかけとなります。
  そして、今にその志を受けてつぎ、世界中に、命をかけて命を守ろう
  とする人々がいます。その可能性を信じて・・・ 

    
   最後になりましたが、本日、今日、この日。
   あなた様がリーダーシップを発揮し、他の価値観を認め、人との縁
   を深め、お仕事がますます御発展されますことを心より
   お祈り申し上げます。
     
 
   本日は、これにて失礼します。

                               敬具

   平成十五年八月二十一日

                           松山 淳より

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 ◆自問◆

 1)私は、人を認めているだろうか?

 2)私は、“意固地”になっていないだろうか?

 3)私は、価値観の多様さを楽しんでいるだろうか?

※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
 答えは、でなくていいのです。それについて、考えるだけでいいんです。
 目を開けたら、一番下までスクロールして、その言葉を読んで下さい!

=======================

 ◆102℃ WORD◆

 「今すぐ決めれば、3年後には、違う自分になっているかもしれない」

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 ◆追伸◆
     
  昨日の朝倉摂さんの記事について、たくさんのお問い合わせを頂きま
  した。本当に、ありがとうございました。
  少しでも、皆様が元気になれればとの想いだったのですが、思わぬ
  反響にびっくりしました。
  また、こんな事もできればと思いますので、これからもどうぞ宜しく
  御願いします。  
  そういえば、スイカをたらふく食べました。
  少し、お腹が痛いです(笑)

  〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます〜

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 ですので、どんどん使って下さい!みんなで明るくがんばりましょう!

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【ことば】

「われわれは自分を評価する物差しを使って、他人を評価しないことが、あまりにも多い」
                       
(哲学者:トマス・ア・ケンピス)
    
 自分には甘いところ数知れず!
 時には、それもいいと思います。
 だから、時には厳しく!
      
 今日も一日ぜひともがんばって下さい!!!


松山 淳 JUN MATSUYAMA松山淳顔写真

世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

MBTIのリーダーシップ研修

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