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【14通目】アイヒマン実験の恐ろしさに学ぶ!

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『リーダーへ贈る108通の手紙』
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              03.07.25
              14通目
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 リーダー様へ

 拝啓 風雲たおやかなる文月の朝 
 
  如何お過ごしでしょうか?  
  
  先日、新聞を読んでましたら、なんとも悲しむべきことが書いてあり
  ました。
  偽装事件で摘発されたある食品会社。あれほど、生活者から非難を浴
  びたにも関わらず、その社内の風土がほとんど変わっていないという
  ものでした。それに危機感を感じている、その社の方のコメントでは、
  消費者向けの売上よりも、業務用のそれが割合を高く占めているため
  大打撃になるほどではなかったからだと論じています。
  そして、いっそのこと売上が地に落ちた方が変われたのでは、という
  ことが載っていました。

  難しい問題です。
 
  何も、罪を犯した会社だからという話しではなく、大きな会社だから
  とか、小さな会社だからという話しでもなく、複数人からなる組織が
  形成され、命令系統が確立されてくると、この食品会社にあるような
  何かしら麻痺した感覚というのは、生まれてくるもののようです。

  集団心理学の研究で有名なアイヒマン実験というのがあります。
  詳細は、『服従の心理 アイヒマン実験』 (スタンレー・ミルグラム
  著 河出書房新社)に譲りますが、ややこしいので、誤解のない範囲
  で、できるだけ簡単にお話します。

   
 【アイヒマン実験とは】

  あなた様を主人公にします。
  あなた様は、実験の被験者です。
  ある機関から選出されて、承諾し、ある部屋にやってきました。
  すると、ガラスの越しに部屋があり、人が座っています。
  何やら、電気ショックをかけるような装置がその人につけらています。
  この人をA氏とします。
  あなた様の手もとを見ると、つまみがあり、15ボルトから450ボ
  ルトまでメモリがあり、30段階にわかれています。

  すると、その機関の人がやってきて、言います。
  「これから、あなたは、簡単なテストをAさんに出題します。
   そのテストにAさんが間違えると、Aさんに電気を流さなければい
   けません。
   そして、不正解の度に、その電気ボルトを1メモリづつ上げていっ
   てください」と

  180ボルトくらで、「痛くてたまらない!」と絶叫しはじめ悶絶が
  はじまりす。270ボルトほどで、想像絶する痛みが体をめぐり、も
  う言葉にならないうめき声が部屋を支配します。330ボルトで反応
  がなくなってしまいます。

  さて、テストが開始されます。
  Aさんは、成績悪く、あなた様は、その度に、電気を流し、メモリ上
  げざろうえません。電気がAさんの体を流れ、震え、目が見開かれ、
  ものすごい形相で絶叫し、その苦しみに堪えています。
  眼球が今にも飛出しそうです。
  それを、あなた様は目の前でみています。途中、何度も、その機関の
  方に、抗議しますが、「あなたは、この実験を続けるべきです」など   
  と、続行を命令され、あなた様は、結局、450ボルトまで、メモリ
  を上げてしまします。
  最後、450ボルトの電気がAさんの体を駆け巡り、どうにかなって
  しまったようです。

 

  「おいおいちょっと待ってください!
  俺(わたしは)そんなことしませんよ!
  途中で、その実験を中止しますよ。席をたつなり、部屋をでるなり、
  どうにでもできるじゃないですか!
  そんな、その機関の、その程度の言葉で続行なんかしませんよ!
  目の前で人が今にも死にそうな位にくるしんでいるのをみてられます
  か!冗談じゃない!」
 
  恐らくですが、そんな感想をお持ちかと思います。
  わたくしも全く同意見です。

  ですが、この実験で40名のうち、6割にあたる25名が、最後の
  450ボルトまで電圧を上げつづけたのです。
  もちろん、葛藤をしながらですが、それでも、目の前で人が死にそう
  になっているのを見ている事と考えると、信じがたい事実です。

  この実験は、イエール大学のミルグラム氏によって行われました。
  そうそう、先に言っておかなければなりません。Aさんは“さくら”
  つまり、演技をしていたのです。電気は実際に流されてませんので
  御安心を!

  精神科医の予則では、150ボルトでほとんどの人がやめるはず。
  450ボルトまでいくのは、1000人に1人だということでした。
  
  ところが、この驚くべき結果。
        
  ミルグラムは、その理由を“代理状態”という言葉で説明します。

  《代理状態》
   人は、ヒエラルキーの中に組み込まれると、自主性とは別の状態に
   置かれる。そして、他人の要望を実行している代理人だと自分をみ
   なすようになる。
 
  
  わかりにくいので、先に進みます。

  組織の中に組み込まれるれしますと、人間は自分の意志があやふやに
  なるようです。
  そのようになってしまう特徴が以下3点です。

  ■チャンネル合わせ 
   実験では、その機関の人とだけチャンネルが合わさられ、Aさんに
   対してのコミュニケ−ンの窓が閉じられてしまっている。
   会社の命令が、社会的倫理から照らして、おかしいと感じながらも
   それに服従してしまう。社会へのチャンネルが塞がれる。
   この牛肉は国産ではないのに、国産のラベルをはってしまう。
   派閥の長の命令が絶対のように思われ、会社全体の利益を考える意
   識が欠落していく。

  ■場面の意味の再定義
   「会社のため」「国のため」などの綺麗な言葉に錯覚が起きる。
   ここでは、その機関の人が「人類の進歩のためです、どうぞ、力を
   かしてください」などと言った場合、人間虐待的な実験行為が、別
   の意味に再定義され、それを継続してしまうこと。
  
  ■責任の喪失
   命令を発し、自分を動かしている上のものには、責任を感じるが
   命じられた“行為の内容”については、責任を感じなくなる。
   ここでは、その機関の命令については、責任を感じているのですが
   電気をAさんに流しているという“行為の内容”については、
   責任を感じてないのです。

   売上を伸ばす。利益を出す。会社である以上、当然です。
   命令といわれなくても、その組織に組み込まれると、無意識に感じ
   る命令です。すると、それを果たそうと責任を強く感じるのですが、
   顧客への、生活者へのチャネルが閉じら、偽装をしているという、
   “行為の内容”については、意識が希薄化していくのです。
   
   極端な言い方をすれば、命令の代理人であり、代理人なんだから、
   行為の主体=自分がやっているんだ=という意識がなくなるという
   ことです。   

   これが、どんな組織にも孕む危険です。

   もしも、かの食品会社についての、記事が真実ならば、代理人状態
   に多くの社員が陥っていると言えます。
   倫理が欠落するとは、責任感がなくなることです。
   責任感がなくなるとは、自分の意志で行動してないということです。
   それは、操り人形が会社の中に座っている、または、それが、うよ
   うよと歩き回っているのと同じです。
   人間の姿、形をして、人間の言葉をしゃべっていますが、よくみる
   と、社の命令という見えない、糸がその人達を動かしています。

   批判めいていますが、わたくしは、そこにいる社員の方々を責める
   つもりはございません。
   それは、組織、ヒエラルキーが形成され、その中に置かれた人間で
   あれば、どんな人でも、そうなる可能性を秘めているものだからで
   す。

   でも、そうならない会社もあります。

    ★そこは、リーダーがしっかりしているのです。
   
    ★優秀なリーダーが社の中に、しっかりと配置されているのです。

   組織の危うさを知る、リーダーが陣頭指揮をとり、メンバーを鼓舞
   し、励まし、道なき道を進んでいるのです。

   これは、間違いありません。

   前述、少し口が過ぎましたところもあり反省しております。
   が、批判覚悟でそのまま記載させて頂きます。
 
   日本を代表する、日本の食卓を飾ってきた、わたくしも幼き頃から
   その食品会社のものを口にし、育ってきました。
   であるからして、裏切られた時のショックは、大きかったです。
   ですが、がんばってほしいというのが本音です。
   なぜならば、そこは、
   わたくしたち、日本人が育てた会社だからです。

   速やかなる改革断行を祈ります。 
  
   以上、ここまでのことを通して、あなた様がリーダーシップを考え
   るうえでの、一つの小さな材料になりましたら、小生、幸せでござ
   います。

   さてさて、昨日、今日と大阪の方は、こんな手紙を読んでいる場合 
   ではございませんね。そうです、「天神祭」です。\(^o^)/
   その起源は、なんと天暦5年(951年)だそうですから、
   1050年以上も前から綿々を伝わってきたということになります。
   そのなんと素晴らしいことか!拍手喝采です。
   この世界に誇れる日本のお祭り、伝統。そこには、次の世代につな
   いでいくという、とても強い意識が感じられます。
   日本人は、それが、できるのです。得意なのです。
   しかし、ビジネス(商売)の場面になると、突如、苦手になるよう
   な気がします。先の食品会社。創業期の血のにじむ思い。それが、
   どこかで継承しきれなかったのかもしれません。
   しかし、新創業期、今が始まりと思えば、それもまた、やりがいの
   あることです。
   本当にがんばってもらいたいと思います。   

   最後になりましたが、本日、今日、この日。
   あなた様がリーダーシップを発揮され、組織を活性化させ、さらに
   御発展されますことを心よりお祈り申し上げます。

   本日は、これにて失礼します。

                               敬具

   平成十五年七月二十五日

                           松山 淳より

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 ◆自問◆

 1)私は、問題の発見に腰がひけてないだろうか?

 2)私は、組織活性化のために何をしているだろうか?

 3)私は、知識、知恵を次なる者へ伝えているだろうか?

※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
 答えは、でなくていいのです。それについて、考えるだけでいいんです。
 目を開けたら、一番下までスクロールして、その言葉を読んで下さい!

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 ◆102℃ WORD◆

 「時間は有限です。」

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 ◆追伸◆

   来週、一週間東京を離れます。
   ネットが繋がらない可能性が、高く、書きためたお手紙をお届け
   することになると思います。
   どうかお許しを。

  
   〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます〜

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【ことば】 

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(キケロ『義務につて』より)  
         
正義は最後に勝つ。
愚直なまでにそれを信じると、何やら気持ちが華やぎます。
行動が俊敏になります。
今日も一日ぜひともがんばって下さい!     


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世界の企業がリーダー研修で使うMBTI自己分析メソッドを用いて、その人らしいリーダーシップを発揮できるようサポートしている。リーダーシップ研修、個人セッション、講演を行い幅広く活躍中 >>>プロフィール

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