リーダーの言霊
From Leader to Leader

HOME > リーダの言霊>第7回 リーダーの言霊 市光工業 人事部長 篠原稔(1)

市光工業 人事部 部長 篠原稔 優れた人材は、当事者意識、オーナーシップを持つ

 市光工業ホームページ・トップ画像市光工業(神奈川県伊勢原市)は、2014年に創業111年を迎える東証一部上場企業である。トヨタ、日産、ホンダ、富士重、三菱自動車など国内自動車会社のみならず世界の大手自動車メーカーにランプやミラーなどの自動車部品を供給している。

 フランスの自動車部品メーカーとの資本・事業提携によりASEANでは中国、インドネシア、マレーシアにも拠点を構える。加速度的に進展するグローバル化の流れの中で、人事部のトップとして組織変革に力を尽くしているのが篠原氏である。

 篠原氏は日産自動車、モトローラ、リーボック、アディダス、ゴールドマン・サックスなどグローバル企業の人事部門でキャリアを積み、長年に亘り人材を見つめてきた。 篠原氏の「キャリアの変遷」と、その豊かなキャリアがあるからこそいえる「優れた人材の特性」について話を聞いた。


松山 日産自動車から始まりモトローラ、ゴールドマン・サックスなど業界を越えてキャリアを重ねてきた篠原部長ですが、始めに、キャリアの大きな流れを教えていただけますでしょうか?

篠原 まず日産自動車に入社しました。工場実習を終え、最初の配属先は国内営業部門の販売促進部です。まもなく販売会社出向が決まり、広島市内の営業所に赴任し、クルマを売る営業マンが私のキャリアのスタートです。2年と期限が決められていたので、「何としてでもトップになろう」と決意して広島に行きました。

 

松山 人事ではなく、最初は営業マンだったのですか?

篠原 そうです。若かったからですかね。2年間、1日も休むことなく営業マンに徹して、車を売りました。2年間で143台という営業成績を残すことができました。月平均すると5.95台、約6台ですね。当時、日産自動車から出向した営業マンとしては、トップの成績でメーカーの社長賞を2年受賞することが出来ました。

 

松山 2年間、1日も休まなかったのですか!

篠原 休んでいてもすることが無かったのも事実ですが、代替需要が中心ですからクルマを売るには、クルマに会う…つまり査定することと、購入決定権者に会うことが不可欠なんです。休んでしまうとそれができない。クルマと人に出会えなければクルマは売れませんよね。
 
 住宅街を原付バイクでひたすら担当するエリアを回りました。クルマだと駐車場を探す時間がロスになるし、探しているうちに「まあいいか」とあきらめてしまいます。原付なら家の前に停めてすぐ訪問できますからね。お客様が関心を示したら即座に営業所に売れ筋車種の試乗車を取りに戻り、お客様のお宅まで持ち込みました。

 夏は朝4時に起きて新興住宅地を回り、家に停めてあるクルマをチェックしたこともあります。車検のステッカーと車を確認するのです。
 昼だとクルマを通勤に使っていて、クルマが置いてない家が多い。だから、早朝、住宅街を回るのです。そんなことをするものですから警察官に声をかけられたこともありましたが、車検の時期を確認してクルマを買い替えそうな家をマークして、そして夜に訪問するのです。絶対トップになると決めていましたから、そんな風に、本当に色々自分で考えて工夫してやりました。

 

松山 月に6台ということは、週に1台売っていたことになります。トップ営業マンとなった篠原部長ですが、売れる人と売れない人の差はどのような点にあると思われますか?

篠原部長の画像篠原 活動の量と質も大きな相関がありますが、コンピテンシーだと思います。その人の行動特性です。
 
 営業はコンピテンシーの向き不向きが結果に大きく影響する職種だと思います。営業部員としてお客様とのかけひきや切迫感がゾクゾクするとか、苦境に立たされても何とかしてやろうと思える人は“セールスに向いている人”でしょう。ビジネス雑誌でトップセールスマンの営業術が紹介されていたりするけど、売れている人は、いろいろと自分で考え工夫していて、ポイントをおさえていますよね。
 
 成約までは苦しいのですけど、それまでのプロセスと結果の達成感が好きなんですよ。

松山 そのポイントというのは何でしょうか?

篠原 クルマの場合、お客様によって購入時に一番気にするポイントが異なります。クルマと言う工業製品は非常にばらつきが少ない。ですから、車種やグレードを決めたら1円でも安く買うことを最優先にする人もいますし、アフターサービスをキチンとやってくれて、安心感に重きをおきたい人もいるでしょう。ですからそのお客様のとっての満足を見極め、徹底的にそれを実現することです。

 例えば、値引き額が重要な人にとって、ある車種を私から20万円引きで買ったとして、それを翌日会社の同僚に話したら「あれ?それと同じ車種を21万円引きで買ったよ」と言われたらくやしいでしょう。私の信用は無くなりますね。

 つまり、「最高の条件で買い物をしたい」とお客様は思っているのです。だから、私から買うことが「最高だ」と感じてもらえるように工夫をするのです。カー用品のオプションと組み合わせてお得感が出るようにと、トーク術を磨きました。この営業の仕事は本当に面白かったですね。〈next page


 

MBTI®のリーダー研修

国際的な人材開発メソッドMBTI®による自己分析を活用し、リーダー層のリーダーシップを強化するプログラムです。

リーダーシップの講演

経営学、心理学、歴史など様々な角度からリーダーシップを解説し、リーダー・マインドを育成する講演です。

アースシップ・コンサルティング・ロゴ

アースシップ・コンサルティング
〒152-0034 東京都目黒区緑が丘1-6-4 TEL&FAX(03)3725-4277

e-mail:j@earthship-c.com