リーダーの言霊
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HOME > リーダの言霊>第6回 リーダーの言霊 インテリアデザイナー藤原敬介(1)
インテリアデザイナー藤原敬介

市光工業ホームページ・トップ画像 藤原敬介デザイン事務所を主宰するインテリアデザイナー藤原敬介氏は、イッセイミヤケ「PLEATS PLEASE」など、国内外にある商業施設空間をデザインするだけでなく、海外のデザイン祭典に自身の作品を積極的に発表してきた。

 「ミラノサローネ ABITALE TOP10」(2002年)に選出され、「第13回 建築インテリア国際フェスティバル(モスクワ)」では、インテリア部門優秀賞を受賞している。
 インテリア業界を舞台にしたフジテレビ月9ドラマ『月の恋人〜Moon Lovers〜』(主演 木村拓哉 篠原凉子)では、ドラマのデザインを監修した。2011年からは、首都大学東京の准教授として後進の育成に力を注ぐ。

 クリエイティブであることは、ビジネスリーダーにも求められる資質である。第一線で活躍し続けるインテリアデザイナー藤原氏に、デザインやクリエイティビティの本質について語っていただいた。   


『インテリアデザイン 美しさを呼び覚ます思考と試行』(藤原啓介 丸善出版)表紙画像
松山 ビジネスリーダーたちにとって、優れたデザイナーのように創造的であることはひとつの課題であるわけですが、藤原さんがデザインするときには、どんなことを大切にされているのでしょうか?

藤原 デザインというと、「形をどうするか」「どんな色にするか」「どんな機能を付加するか」といった狭い意味でのデザインを思い浮かべる人が多いと思います。でも、デザインというは、もっと大きな意味をもっている言葉だと考えています。

 

松山 大きな意味ですか?

藤原 私は「デザインとは人の生きる行為そのもの」と考えています。あるいは、「デザインをするとは、人が生きることを考えること」です。

 そういった意味において、デザインとは「未来にむけて、人が希望をもって生きるにはどうすればよいのか」、その問いに答えていく行為だといえます。

 

松山 多くの人に希望をもたらすのがデザインということでしょうか?

藤原 私は、形や色をどうするかといった狭義の意味でのデザインではなく、デザインのできること、「デザインの力」ともいうべきことに大きな理念をもつべきだと思います。
 近代においてデザインという概念が発生し、それを職業にした人たちは、世の中にあった不便さや、人々が感じている不自由さをデザインの力を通して、どうにか克服しようと努力してきました。
 つまり、より大きな視野にたって社会をよりよい方向へと導こうとしてきたのが、デザイナーたちの役割だったのです。そうしたデザインする人間たちがもつ大きな理念が、今、失われつつあるように感じています。

松山 理念が失われているということですが、それはなぜなのでしょうか?

 

インテリアデザイナー藤原敬介藤原 デザインは商業、ビジネスと強く関連しながら発達してきました。この関係性は宿命ともいえるものです。全てがそうだとはいいませんが、ビジネスがあるからこそデザインが発生する側面を否定できません。私がデザインするさまざまな商業店舗も、そのビジネスがあるからこそデザインが存在します。

 ただ、過度の商業主義、つまり、「売れるものを最優先してつくる」「売れるものが優れたもの」といった、短期的な利益を追求する考え方にデザインが飲み込まれてしまうと、デザインはビジネスの奴隷になってしまいます。

 デザイナーは「売れるものを考えて、つくればいい」といった偏った考えに染まってしまい、デザイナーの役割に誤った認識が生まれて、大きな理念が見失われていくのです。

松山 商業主義に偏り過ぎているのが問題なのでしょうか?

藤原 私は、ビジネスの側面を否定するわけではありません。バランスが大切なのだと思います。ビジネス上の成功を、デザイナーが担っているのは確かです。 ただ、デザインを発想するスタート時点において「まず売れるもの」といった認識をもつことが、問題なのです。

 売れるか売れないかをデザインの価値基準にすると、形や色をどうするかといった話しに終始してしまい、創造性が劣化します。

 ですので私は、デザインを考える際に、「人間」や「未来への希望」といった大きな理念を忘れないように、心がけているのです。 〈next page


藤原敬介デザイン事務所 フェイスブック・ページ

藤原敬介デザイン事務所フェイスブック・ページ

 これまで手がけたデザイン空間や世界のデザイン祭典に発表してきた作品をアップしている。プロのカメラマンによって撮影された美しい空間やプロダクト・デザインの数々は、見ているだけで美的感覚が刺激され、楽しい。


『インテリアデザイン 美しさを呼び覚ます思考と試行』(藤原啓介 丸善出版)表紙画像〈藤原敬介著作〉

『インテリアデザイン 美しさを呼び覚ます思考と試行』(藤原敬介 丸善出版)

 ファニチャー・デザイン、商業空間デザインなど自身が手掛けた仕事のプロセスを振り返りデザインが生まれるための「思考と試行」について詳述した書。デザインを形や色だけに留めず、社会に対する挑戦とも捉えらえるような藤原氏のデザインに対する深い哲学が伝わってくる。


『Keisuke Fujiwara: Interior Elements for Space and Product Design』〈藤原敬介作品集〉

『Keisuke Fujiwara: Interior Elements for Space and Product Design』

 オランダのインテリアデザイン専門の出版社「Frame」からの作品集。空間やファニチャーなどデザインに込めた想いを写真とともに解説。(英語表記)



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