リーダーの言霊
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HOME > リーダの言霊 > 第3回リーダーの言霊 経済人コー円卓会議日本委員会事務局長 石田寛(1)
      リーダーの言霊 石田画像 日産のCSR戦略

CSR(Corporate Social responsibility:企業の社会的責任)にいかに取り組んでいくか。日本企業において今、無視できない課題となっている。

 CSRの考えを日本に広め、企業に対してコンサルティングを行ってきたのが、経済人コー円卓会議日本委員会事務局長の石田寛氏である。
 日本におけるCSR活動の先駆的な事例としては、日産が有名だ。日産のCSR活動を陰で支えたのが石田氏であった。その模様は『日産のCSR戦略―成長と信頼に基づく持続可能性の経営』(生産性出版)に詳しい。

 CSRという概念をとおして企業のトップマネジメント層へのアドバイザーとして活躍しながら、関西学院大学の准教授として教育の世界にも携わっている。また、企業の幹部候補生を対象にグローバルに活躍できる次世代リーダーを育てるべく日夜、奮闘している。



松山 日産のCSR活動を長期的にサポートし、今や日本企業のCSR活動を牽引するお立場となっていますが、石田さんは元銀行マンだったと聞いております。

石田 そうです。現在のみずほ銀行は、富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行が合併してできたものですが、そのうちのひとつ日本興業銀行に勤めていました。

 1990年に新卒で入社し、ディーリング・ルームに配属され、その頃は、昼も夜もない生活でした。体力的にきつかった面もありますが、大きなお金を動かし自分なりには、やりがいを感じていました。

 

松山 結果的にお辞めになるわけですが、その動機はどのようなものだったのですか?

石田 合併はされたものの日本興業銀行もじゅうぶんに大きな組織でした。大きな組織に勤めるということは、ある意味、「組織の論理」に従うべき人間になるということです。

 その論理が世の中の常識や道徳と一致していればいいのですが、そういったケースはまれです。

 企業は売上をのばし、利益をだし、存続していくことがひとつの役割で、そのために世間の常識をねじまげ、自社特有の論理を生みだしていきます。

 「間違っている」と個人が思っても、社内の論理に照らしあわせて「正しい」のであれば、また上から「正しい」といわれれば、それに従ってしまうのが多くの組織人であり、私もそのひとりでした。結婚をして子どもが生まれ、そうした自分の働き方に強い疑問をもつようになったのです。


松山 組織の論理がまかりとおり、自分の意志と反することをしてしまう自分に違和感をもつようになったのですね。

石田 それだけではありません。銀行で働くと世の中のお金の流れがわかります。企業がどのようにお金を動かしているのか、世間の人が知らない裏側の世界までみることができます。そこにあるのは、決してきれいな世界だけではありません。

 しかし、世界的な潮流でみても、唯我独尊で世間の常識を無視したような経営をしていては、会社を存続することはできないという時代をむかえようとしていたのです。多くの企業が社会的な常識からずれた経営を続けていました。

 企業の不祥事が多発しこの問題をなんとかしたいと思うようになったのです。そのためには、組織の一員のままでは限界があり、外に飛び出して、企業もふくめ、よりよい社会づくりに外から影響を与えていけるようなことができたらと、考えたのです。

 

松山 今や石田さんは、日本のCSR活動をひっぱってきた中心人物として、企業に影響を与える存在になっているわけですが、会社を辞めてすぐにCSRと関わったのですか?

石田 すぐにCSRのコンサルタントとして本格的に活動したわけではありません。会社を辞めてから紆余曲折ありました。やはり、今、事務局長をしている「経済人コー円卓会議」との出会いが大きいと思います。


松山 恥ずかしながら、石田さんにお会いするまで「経済人コー円卓会議」という組織を知らなかったのですが、その始まりはどのようなものだったのでしょうか?

石田寛写真1石田 アメリカにフランク・ブッフマンという牧師がいました。彼の思想は「真の平和と民主主義は軍備ではなく、心と精神の再武装から」というものです。

 この思想をベースにした活動が世界各地に広まり、1946年にスイスのレマン湖を見渡すコー(Caux)という地にて、世界大会が開かれたのです。各国から政治家や経済人が集まり「和解と共生」をもたらすために何をすべきかと、話し合いが行われました。
 1946年から毎年、会議は行われ、今なお続けられています。1980年代、日本経済はジャパンバッシングをあびるほど強かったわけですが、そうした批判のなかで1986年に日米欧を中心にした経営者が集い、これからグローバル化が進む中で、企業の社会へ果たすべき責任が、ますます大きくなっていくことを合意したのです。

 ビジネス界で初めて、企業の社会的責任(CSR)という言葉が使われました。その後、日本では「経済人コー円卓会議日本委員会」の組織が創設され、私はある人の紹介で2000年当初は、ボランティアとして関わっていたのです。事務局長になったのは、2004年のことです。next page




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